[携帯モード] [URL送信]

新月を追って

 なんだか嬉しいような気分になりながら笑みを浮かべて礼を述べると松島は不思議と眉をハの字にして

「どうかしたの?」
「…」

 声が心配していることを伝える。それがわかっていても敦志は昨日あったことを口には出来なかった

「今もさ、校門の前で悩んでるみたいだったから…俺!相談乗るよ?」
「ぁ、いいですっ気持ちだけで…十分です」

 いつまでも答えない敦志に痺れをきらし、松島が凄い心配した様子でまくしたてる。敦志は慌てて両手を振って断った。
 松島の心配は嬉しかったが全てのはじまりのあの日、松島は笹山や外村たちと一緒にいたのだ。心のどこかで未だ信用しきれていなかった

「わかった…でもいつでも相談乗るからね」

 残念そうに少しばかり唇を突き出していた松島は思い出したようにそう告げにっこり微笑んだ。敦志は軽く礼を述べた後、内履きに靴を替えて教室へと急いだ

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!