[携帯モード] [URL送信]

新月を追って

 次の日の朝、学校の校門の前に敦志の姿があった。登校する生徒がぞろぞろと敦志の横を通り過ぎていく。外村の命令に従って来てはみたもののやはり気が進まない

 頭では分かっている、学校に行かなくてはと。でも身体がピクリとも動かないのだ。あのような行為を心が受け入れない、逃れたくて溜め息が出た

「なっかにっしちゃーん」

 そんな時、敦志の沈み込んだ心を吹き飛ばすような能天気な声が聞こえて敦志が振り返る前に後ろから両肩を押されて押されるままに敦志は一歩前に出てしまった

「ま、松島さんっ」
「なにボーっとしてんの?早く行こ行こ」

 慌てて振り返ってその名を呼ぶと遅刻しちゃうよと
再び背中を押されて敦志はとうとう校門を潜ってしまった。少し強引だなと思いながらもその強引さがなければ入れたかどうか分からない

「ありがとうございます」
「へ?」
「…なんか助かりました」

[次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!