[携帯モード] [URL送信]

新月を追って
18
 階段を上り終え、部屋の自分のベッドに下ろされるまでそれは長い時間に感じた。
 人、一人というのは結構重いもので敦志をベッドに下ろすと直哉は床に座り込んで自分の体の後ろに両手をついて一息ついた。

 敦志も直哉と密着している、という状況から逃れられたことにほっとしていた。だが言葉もない直哉に不思議に思って目を向けると直哉と目が合ってしまった。
しかも直哉は目が合うと直ぐに気まずそうに反らした。不思議に想い何気なく下を見るとパジャマをくっきりと持ち上げている自身に気づいた。
 再び真っ赤になった敦志はガバッと大きな音を立てて布団で下半身を隠した。それを隠すと今度は沈黙がきになりだし、何か話さなきゃと思い口をパクパクと開くのだけれど頭が真っ白で言葉に出来ない。
 そうこうしている内に再び

―――ヴヴヴヴヴ

体内で唸りを上げるそれに敦志は驚き目を見開きつつ必死で両手で口を押さえた。声を聞かれてはならないと思った。
 知られたら全てが終わってしまう、直哉を失ってしまう、そう思い懸命に耐える敦志は息苦しさと与えられる刺激に更に赤くなり今にも泣きそうに目が潤んでいった

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!