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新月を追って

 しあわせな一日、という予定が大幅に狂ったのは直哉にメールをしてから数分後だった。直哉から返ってきたメールを見て敦志は背筋が凍るのを感じた

『見舞いに行く、外村も行くみたい』

 直哉が見舞いに来てくれるのは嬉しいのだが、外村…その名前、ただそれだけで不吉な予感がしてくるのだ。敦志は怯えるように横に寝て身体を海老のように丸めた。だが緊張も恐怖も何も起きなければ続かない、敦志はいつのまにかそのまま眠ってしまった



―――…ーン…ポーン、ピンポーン


 どのくらい眠ったのだろう?敦志は鳴り止まないインターホンの音に目を覚ました。眠りを邪魔されたことに不機嫌な声を出し、出ないつもりで再び目をつぶったがインターホンは止むことがなく敦志は根負けしてのろのろとベッドから起き上がった。
 微熱のせいか廊下のフローリングは冷やりと感じた。冷たさを逃れるように軽やかに階段を降りていき敦志はそのままの勢いで玄関のドアを開けた

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