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新月を追って

「熱あった?」
「あった」
「何度くらい?」
「さんじゅう…はち?」
「…バカでしょ兄貴」

 風邪なんか引いちゃって、しかも治んないし
と文句を言い、盛大に呆れた溜め息を吐きながら布団を敦志の肩までかけてやり

「今日は寝てなきゃダメ」
「えっじゃあ…」
「…今日は特別、明日から学校だからなっ」

 敦弘は膨れっ面をしてそう言うと踵を返して部屋を出て行った。階段を降りていく足音を聞きながら敦志は嬉しい気分になった
 一日行かないでいいってだけでなんでこんなに嬉しいものなのか、敦志は伸びをしながらしあわせを噛み締めていた


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あきゅろす。
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