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新月を追って

 その頃敦志は自分の部屋でベッドに横たわり天井をぼんやり眺めていた。
 ピピピッと音が静かな部屋に鳴り響き、敦志はゆっくりと自分の脇から体温計を取り出した


 37度2分…微熱と言えば微熱なのだろう、我慢して学校に行けなくもない。しかしここ数日学校へ行かない、あんな目に遭う事もないという開放感を味わってしまったので学校へ行こうという気にはならなかった。それでも一応学校へ行くべきかと悩んでみる

「兄貴っ」

 ドアを勢い良く開けて敦弘が入ってきた。共働きの両親はすでに出社して家にはいない、よって休むことに反対する者はいなかった。
弟を除いては

敦志は敦弘を見ると慌てて体温計を布団の中に隠した

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