新月を追って
1
「あれ?珍しいな直哉」
休み時間、ガヤガヤとした教室で自分の席で携帯を弄っていた直哉の前の席に外村が座って話しかけてきた。
二人は同じクラスであり、同じサッカー部なのでそれなりの付き合いはあった。とは言え親友ではないので以心伝心とまではいかない。直哉は外村の言葉が理解しきれず怪訝な顔で見つめ返した
「携帯弄ってんの珍しいじゃん」
外村が面白そうに笑いながら覗き込んでくるので直哉は携帯を閉じながら、そうか?とだけ答えた
「女でも出来た?」
「なんでそうなるんだよ」
呆れたように笑いながら直哉は机の中を覗き込み、次の授業の教科書を机に出し始めた
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