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新月を追って

「帰ったら晩御飯あるのか、いいな」
「直哉さん家は?ないんっすか?」
「あぁ…だから羨ましい、親作ってくの?」
「違いますよ、弟と俺とで交代で作ってます」
「弟いんの?」
「はい、3…?歳下がいます」
「…今微妙に思い出せてなかっただろ」

 家族の年齢だというのにハッキリ思い出せずに語尾に?マークをつけた言い方をする敦志に直哉がツッコミを入れて笑い、敦志もつられて笑ってしまい、二人の空間が少しずつあたたかいものになっていく
 過ぎる時間と比例して食べ物も減らしながら二人はいつしか笑みを浮かべ、たわいもない話なのに楽しげに会話をした。
 時に沈黙もしたけれどその間さえなんだか楽しかった

「直哉さんは?兄弟は?」
「ん?いない、一人っ子」
「へぇ…いいな」
「いいか?」
「いいですよ!」
「俺、弟とか欲しかったかも」

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あきゅろす。
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