新月を追って
6
「なに食う?」
「んー…どうしよう…」
レジの頭上の方のパネルに目は釘付けになりながら悩む敦志。だがなかなか決めることが出来ない。
そうこうしている内にレジに並んでる人がどんどん減っていって焦るばかり
「な、直哉さん先に注文しててください」
敦志はそう言って直哉を置いて壁のボードに張られているメニューの書かれたでっかいポスターの前に行ってそこでまた悩み始めた。
そんな敦志の後ろ姿に小さく笑いながら直哉は注文を済ませ、番号札と紙のカップ入りの飲み物をトレイに乗せ敦志の隣に行く
「直哉さんもう終わったんですか?」
「あぁ…中西も早く決めろよ?俺席座ってるから」
となんだか機嫌よさそうに笑いながら禁煙席のひとつに腰掛ける。
その後姿を見届けた敦志はなんだか言いようの無い嬉しさを感じてその気分のままレジに向かった
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