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新月を追って

「なんか…腹減らないか?」

 気まずいような張り詰めた雰囲気を打ち破るように直哉が突然口を開く

「あ…はい微妙に」
「じゃあどっかで食ってかない?」
「え、でも…」
「奢るから、いいだろ」

 戸惑いもにっこり笑う直哉に打ち消され、敦志は直哉について行った。次第に敦志の家とは反対方向に歩いていっているのに気づいたが敦志は直哉と少しでも一緒にすごしたくて言い出せずにいた。
 その内、二人はファーストフード店の前に辿り着き

「ここでいいよな?」
「ぁ…はい」

直哉が振り返って確認する。敦志は精一杯笑顔を作って答えた。
 答えを得ると直哉は入ってすぐのところに置かれた濡れた傘を入れるビニール袋を手に取り濡れた自分の傘をそれに入れた

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