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新月を追って

 体育館は古く、誰もいない。誰かに聞かれてまずい話だとしてもここなら誰かに聞かれる心配はない。
 これ以上奥に行ってもしょうがないじゃないかと思いながら尋ねると振り返って依月は

「ここがいいの?」

と尋ねた。
 出来れば、と思ったが返事をする前に依月は体育館の奥の扉の前に来ていた。
 そこは倉庫だ、体育の時に使う用具があるところ普段は第1体育館で体育を行い、滅多にこちらに来ないため入ったことはないが想像はついた。
 振り返り手招きする依月に躊躇う敦志。立ち止まっていると依月が戻ってきて敦志の手を引いて扉の目の前まで連れて行った

「入って」

 そういう依月に不安げに顔を向けるが事態は変わりそうもなく、敦志は錆びかけた重い扉を開いて中に入った。

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あきゅろす。
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