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君に捧ぐ
21




† 流唯side



次の日。

今日の登校は東吾と一緒だ。
いつも紘と律も必ず付いて来るのに珍しい。
しかも今日はやたらと人の視線が痛い気がする。

東吾ってこんなに注目される人だったのか。




教室に入ると皆が一斉に振り返ってきた。
思わずきょとんとすると律が近付いてきて今まで俺に隠してきた事を喋ってくれた。


俺に隠して俺の親衛隊を作ってた事。
Sクラスは全員が親衛隊員だという事。
今まで大人数で俺を囲うように行動していたのは俺を周囲の視線から守る為な事。
食堂じゃなくて毎日お弁当だったのは人目を避けたかったからだった事。


「流唯を見たら良からぬ事を考える輩がいるだろうしね。」

「っていうのは建て前でただ他の奴らに流唯を見せたくなかっただけなんだけどねー。」

「流唯、怒った?」


紘が申し訳無さそうな顔で抱き付いて来る。


「怒るわけ無い。俺の為にやってくれてたんでしょ?東吾のはよく分かんないけど。」


頭を撫でてやりながら答えると更にぎゅっと腕の力を込められた。
ちゃんと苦しくない程度の力に抑えてくれてるから良いけど。


どうやら俺のお許しに皆気が抜けたらしく一斉に息を吐き出した。

俺がそんな怒るとでも思ってたのか。


「皆流唯の事好きなんだよー。」

「…。」


考えが東吾に読まれた事と直球で言われた事に照れて顔を背けた俺にクラスメートが悶えていたなんて知らない。




―――――



そして一気に飛んでお昼。
初めての食堂!
結構早めに着いたらしく空いていたので、適当に空いている席へ座る。



早速何を頼もうかとうきうきしながらメニューを開………


「メニューは?」

「あー、注文はコレねー。」


と、手渡されたのはカラオケで選曲する時に使うようなあの機械。
もっともこれは指で画面をスライドさせる式なのだが。






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あきゅろす。
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