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君に捧ぐ
29



「言ったつもりは無かったのに。」

「もろ口に出てたよ。」


怖。
これから気を付けよう。


「今日は流唯に生徒会の仕事を大まかに覚えてもらうよ。」

「分かりました。」

「と言っても、補佐だから会長の後ろに付いてれば良いだけなんだけどね。」

「…え。」


そんな楽な仕事なのか。
というよりそれは仕事になってるのか。


「一番大事な仕事は僕に萌えを毎日提供する事だよ!!」

「他の役員は色々仕事あるし、何か頼み事をするかもしれないからよろしくね。」

「はい。」


蒼空を華麗にスルーした悠稀先輩は再び存在理由に疑問を感じた俺を安心させた。

わざわざ部屋の隅で拗ねている蒼空に近寄りながら可愛いと思う俺にそういう趣味は無いはずだ。


「蒼空、拗ねんな。」

「え?…えぇ!?」

「こら。暴れたら落ちんぞ。」


弟がいたらこんな感じなのだろうかと思いながら蒼空の頭を一撫でしてから持ち上げた。

所謂お姫様抱っこというヤツだ。


ほら、と椅子に降ろせば直ぐに千隼に抱き付いた。



あれ??

「僕は第三者なのに…タチなのに…」

「ネコだろ。」

「うっさいわ!!」



どうやら余計蒼空を怒らせたっぽい。
千隼がめんどくさそうに対応してくれてる。


「そういえば、部屋の移動はいつするの?」

「正確な日程は決まってない。只、早めに管理人とこ行け。」

「分かりました。」


ということは東吾と離れ離れになるのは自分のタイミングで良いわけか。
それは良かった。


ちょっと安心しながら紅茶を飲んだ。



「…おい。」

「あ?」

「何普通に会話参加してんだ。」

「流唯がいるからな。」


いつの間にかちとせ先生が俺の後ろに立っていた。
ホストで忍者なんですかどっちなんですか。






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あきゅろす。
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