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空色少女
19



「オレはただお前に興味持っただけだぜゔぉ゙おい。別に敵でお前をどーこーするつもりはねぇ!」

「……ホント?それだけ」

「嘘じゃねぇ!お前が知りたくなった、こんなちっこい奴が炎だして戦ったのを見たんだからな」


傘を振り落としてスクアーロはニヤリッと笑みをつけて言った。
嘘には見えない。


「家光は妻にもマフィアの話をしてないの、だから知らないフリをする。だから話さないでよ、誰にも」

「家族にあめーやつだな」

「…ボンゴレの9代目の御曹司って知ってる?」

「いや、見たことはねーな」

「……あたし、10代目候補者になった」


そう言えばスクアーロは目を丸めた。


ゔぉ゙おい!!そりゃあいいじゃねぇかっ!


ガシリと肩を掴まれた。
スクアーロの顔は嬉々に満ちている。紅奈はそれに驚きながら目を丸めた。
というか声に驚いた。


ボンゴレ10代目になれっ!!



……は?


言われなくともなるつもりだ
何故こいつに言われなきゃいけないのだろうか

確かライバルにつくはずだったんじゃあ…


XANXUSに会う前に自分に会ったからか?なつかれたのか?


あたしに惹かれた?


「他にも候補者がいる、あたしより遥か年上だし。あたしが10代目になれる確率は少ない」


本当は百パーだがな。


「オレが協力してやる!」


ニヤッとスクアーロは言い退けた。


オレがお前を10代目にしてやるぞゔぉ゙おい!!


雨音の中、轟かせスクアーロは自信ありげに告げた。


スクアーロが、味方?


   にやっ


紅奈は笑みを浮かべた。


ますます楽しくなりそうではないか。この未来<サキ>どうなるか見物だ。


「その自信がどっからわくかは知らねーが、あたしを裏切ってみろ。命はないと思えよ、スクアーロ」

「言うじゃねぇか、小娘」

「あたしは本物しか信じない。口だけの奴を信頼するつもりも、やわな忠誠心を信じるつもりも、形だけの奴も信じるつもりもない」


紅奈は突き放すかのようにはっきりと言い退けた。


「部下にするのは絶対に裏切らない奴だけ。裏切るクズは要らない!S・スクアーロ、お前は誓えるか?」

「………ハッ!裏切り者はクズか!いいじゃねぇか…オレが裏切り者をおろしてやる!!」


バッとスクアーロは立ち上がって言った。つまり答えはイエス。


「あたしが10代目になるように協力しろ!スクアーロ!」

「ゔぉ゙おい!!任せろ!」


   パシンッ


お互い手をあわせて弾いた。

これで一方リードだ。



 


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