空色少女 200 確かめるために、家を飛び出してイタリアへ飛んだ。 パスポートと9代目からもらったチケット、それと小芝居をすれば安易に飛行機に乗れた。 その間、何度も通信機で連絡を取ろうとしたが二人は出ない。 一度も出ない。 頼むから…。 頼むから出てくれっ…! そう願っても、繋がることはなかった。 イタリアに着くと、家光の部下に捕まる。 家を飛び出したと母さんから連絡がきて、家光が手配したようだ。 パスポートがないと気付き、イタリアに飛んだと推測されたらしい。 幸い迎えにきたのは一人の男。 ホテルに連れていかれ、家光が迎えにくるまで軟禁される。 だから大人しく車に乗り込んでから、男を気絶させた。 蹴り飛ばして運転席を奪う。 そのまま車を走らせて、本邸に向かった。 夏休みに訪れた時、行き帰りで道を覚えておいてよかった。 迷わずに本邸に辿り着いたが───────言葉を失う。 変わり果てた屋敷が。 あたしに現実を突き付ける。 歪む感覚。 もう立っていられなくなって、膝をつく。 まだ火薬の臭いがする。 ヴァリアーの屋敷が襲撃されたような跡が生々しく残されていた。 「違う…」 そんなこと、ない。 だって。 「……オレのボスだ」 そんなはずはないんだ。 「オレは本物だと。裏切らないと。誓いを形にして紅奈に伝いたいんだ。オレは、お前についていく。言葉だけじゃあ足りねぇ……だからだ」 だって。 「オレのキングでいてよ……オレを捨てないでっ……紅奈…!」 だって。 そんなはずはないんだ。 あたしは立ち上がる。ぐらりと歪む感覚がおさまらないが、走って屋敷の扉を開けた。 「XANXUS!!スクアーロ!!ベル!!」 喉に痛みを感じるくらい声を張り上げて叫んだ。 「XANXUS!!XANXUS!!」 顔を出して嘘だと言ってくれ。 「スクアーロ!!」 違うと言ってくれ。 「XANXUSぅ!!」 否定をしてくれ。 「どうしてこんなところにいるんだ?」 「誰だ子供を入れたのは」 少女の叫びを聞いて屋敷の中にいたボンゴレの人間が出てきた。 「XANXUSは何処なのっ?」 問うと彼らは顔色を変えた。 ドクドク鳴る心音が煩い。煩い。煩い。 「XANXUS!!」 「よせ…」 「触るな! 」 また叫ぶと無駄だと止めようとする。あたしはその手を叩き落とす。 「邪魔だ退けっ!!!!」 怒鳴り声をあげれば、男達はたじろぎ行く手を譲る。 [*前へ][次へ#] [戻る] |