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空色少女
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確かめるために、家を飛び出してイタリアへ飛んだ。

パスポートと9代目からもらったチケット、それと小芝居をすれば安易に飛行機に乗れた。


その間、何度も通信機で連絡を取ろうとしたが二人は出ない。

一度も出ない。


頼むから…。

頼むから出てくれっ…!


そう願っても、繋がることはなかった。


イタリアに着くと、家光の部下に捕まる。
家を飛び出したと母さんから連絡がきて、家光が手配したようだ。

パスポートがないと気付き、イタリアに飛んだと推測されたらしい。


幸い迎えにきたのは一人の男。

ホテルに連れていかれ、家光が迎えにくるまで軟禁される。


だから大人しく車に乗り込んでから、男を気絶させた。
蹴り飛ばして運転席を奪う。


そのまま車を走らせて、本邸に向かった。


夏休みに訪れた時、行き帰りで道を覚えておいてよかった。


迷わずに本邸に辿り着いたが───────言葉を失う。


変わり果てた屋敷が。


あたしに現実を突き付ける。


歪む感覚。

もう立っていられなくなって、膝をつく。


まだ火薬の臭いがする。
ヴァリアーの屋敷が襲撃されたような跡が生々しく残されていた。


「違う…」


そんなこと、ない。


だって。


「……オレのボスだ」


そんなはずはないんだ。


「オレは本物だと。裏切らないと。誓いを形にして紅奈に伝いたいんだ。オレは、お前についていく。言葉だけじゃあ足りねぇ……だからだ」


だって。


「オレのキングでいてよ……オレを捨てないでっ……紅奈…!」


だって。


そんなはずはないんだ。


あたしは立ち上がる。ぐらりと歪む感覚がおさまらないが、走って屋敷の扉を開けた。


「XANXUS!!スクアーロ!!ベル!!」


喉に痛みを感じるくらい声を張り上げて叫んだ。


「XANXUS!!XANXUS!!」



顔を出して嘘だと言ってくれ。


「スクアーロ!!」



違うと言ってくれ。


「XANXUSぅ!!」



否定をしてくれ。


「どうしてこんなところにいるんだ?」

「誰だ子供を入れたのは」


少女の叫びを聞いて屋敷の中にいたボンゴレの人間が出てきた。


「XANXUSは何処なのっ?」


問うと彼らは顔色を変えた。

ドクドク鳴る心音が煩い。煩い。煩い。


「XANXUS!!」


「よせ…」

触るな!



また叫ぶと無駄だと止めようとする。あたしはその手を叩き落とす。


「邪魔だ退けっ!!!!」


怒鳴り声をあげれば、男達はたじろぎ行く手を譲る。




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