004
直ぐに終わらせて、帰りにお酒とおつまみを買う。
スクアーロと飲めるなんて、なんだかワクワクしてきた。
ウキウキ気分で部屋に帰ると、真っ暗。
きょとんとしていたらこめかみに堅いものが突きつけられた。
横目でみれば、銃を突き付けたスクアーロ。
流石は暗殺者。気配が全くなかった。すごい。
「あたしの部屋荒らしたの?」
「なんだぁ?この玩具は」
カチャカチャと引き金を引くスクアーロ。
勿論弾丸はでない。
だってそれはエアガンだもの。
まぁいとこが改造して威力は増してるらしいけど、中身はないのよね。
ただの玩具と答えてから、あたしはビニール袋を見せた。
「ぱーとのみましょ」
おつまみを広がって缶を開ける。それから乾杯した。
「…これで帰れなかったらどーすりゃいいんだぁ」
「まーまー、気にするなって。飲んで飲んで」
呟くスクアーロの肩を叩いて飲む。気にしたって状況は変わらない。
スクアーロは観念してくびっと飲んだ。
「心配?ヴァリアー。スクアーロがいなきゃ回らない?」
「そんなこと……あるか」
「あるんだぁ?」
飲んだところで聞き出してみた。
「マーモンは報酬以上のことはしねぇし、ルッスーリアは好みの野郎を見つけると夢中になりやがるしは、ベルは勝手なことばかりやりがる!仕事をなんだと思ってやがるんだ!」
「どーどー、飲んで飲んで」
怒りで缶を握り潰す前に一度奪還してからもう一度スクアーロの手に戻して飲ませる。
「スクアーロはまとめ役だもんね…あの連中をまとめるなんて相当な苦労だよね。そりゃあ仕事終わりに酒を浴びてベッドに倒れたくなるよねぇ」
「う゛お゛いっ、オレの愚痴聞いてねぇでお前も吐けよ」
うんうんと頷いていたら今度は聞き出してきた。
仕事は?と問われたから秘密とはにかんで言う。
「あたしは仕事の愚痴じゃない………ただ孤独に浸ってるだけ」
アルコールの勢いで口にする。
「孤独?」
理解できないのか或いは呆れているのかスクアーロは怪訝な顔をした。
「一緒に飲む人いないことに嘆きながら飲むんでるのよ」
「寂しい女だなぁ、友達と恋人もいねぇのかよ」
「あら、失礼ね。いるわよ、友達くらい。彼氏は居ないけどね…てか彼氏がいたらあんたを泊めたりしないわ、軽い女じゃないもの」
「重い女かぁ」
「んだとっ」
ゴツンと肩をぶつけて互いに冗談を笑う。
「友達がいるならそいつと飲めばいいじゃねーか」
「スクアーロは友達がいないからわからないんだろうけど、友達だって忙しいのよ」
「う゛お゛ぉいっ!言うじゃねぇか!」
仕返しをしたらゴツンと頭を拳をこずかれた。
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