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「あ、わりーわりー」

「あ!山本君!」


振り返れば山本君がいた。


「暇してると思って遊びにきたんだ」

「まさに暇してたんだ!ありがとー」

「ははっ、良かった。じゃあなにして遊ぶ?」


相変わらずの好青年。

あれ?成人してないなら少年かな…。青年って何歳から青年って呼ぶんだっけ。でも山本君、背高くて青年の方があってるから青年でオッケ!。


「街に行きたいな!まだ観光してないんだぁ」

「それってスクアーロとしなくていいのか?オレと行っていいのか?」

「あ………それもそうだね…」


どうせならスクアーロに案内してもらいたいし、暇ができたらデートの約束もしたもの。

山本君と二人でいくと嫉妬して騒がれるもんね。


「じゃあバッティングしたいな。山本君、もってる?ボールとバッド」


山本君と言えば野球。

身体を動かしたくて言ったが、十五分で音を上げた。


「無理だぁあっ!山本君!かすりもしないよ!」

「球をよくみて、こうグッとブンッといく感じで!」

「わからんわ!」


何度バットを振っても山本君の放つ剛球は打てない。

もう百回は振ったかも。
明日は筋肉痛確定だわ…。
腕がジンジンする…。


ギブアップして談話室で休憩した。


「あら。武さん、恵さん。こんにちわ」

「ティアナさん、こんにちわ!」

「おーす!」


談話室にティアナさんが来てくれて、彼女が持っていたドーナツを頂いた。

それからルッスーリアさんが来たので一緒にお茶を楽しんだ。


「恵ちゃん、スクアーロは?」

「夜に帰ってくると思う。今夜は飲む約束なんだぁ」

「んまぁ、ラブラブね」


えへへ、と照れていればティアナさんが微笑む。

あ、お礼を言うんだった。

ティアナさんのおかげで、スクアーロから謝ってくれたからね。

スクアーロ。
早く帰って来ないかな。


















もうっまじで許さねぇ!!あのカス鮫!!


バンッ!

リキュールの入ったグラスをテーブルに叩き付けるように置く。

時間はもう既に十二時を回っている。


それでも。


スクアーロは帰ってきていない。


またもやすっぽかしやがった。

あんの野郎!!


談話室には、あたしとティアナさんとベル君とルッスーリアさんとフラン君。


我慢できなくなって飲むと言い出したら、ベル君達も一緒に飲むと言い出してくれた。

だから今、飲みなう。


「…恵さん、飲みすぎては…」

「ティアナさんも飲んで!」

「いえ…わたくしは、お酒は…」

「ボスさんと飲むんだろ!?ならあたしとも酒飲めぇ!」

「…一杯だけよ」


グラスを押し付ければ困った顔をしたティアナさんは受け取る。


「んもう、女の子待たせるなんて。スクアーロはまだなのかしらね?」

「もう知らないもん!スクアーロなんて!」

「ししし、恵ちょー子ども」

「あれ?ベル先輩が恵さんを名前で呼ぶの初めてじゃないですかー?」

「未成年は寝ろよ」

「そうだよ?フラン君、寝たら?」

「仲間外れしないでくださいよー。ミーもアホのロン毛隊長の愚痴を溢したいですー」

「よし!バカスクの愚痴を順番に吐こう!吐けなかったらジンをストレートで飲む!」

「うししー!やるやる」

「え、わたくしも?」

「勿論よ!フランの分はどうするの?」

「飲ませればよくね?」

「だめだめ!フラン君が選ぶでオッケ!」

「じゃあわざと吐かないでベル先輩に飲ませよ…ゲロ!」

「これだからガキは。女に飲ませて潰すんだよ」


というわけで、カス鮫についての愚痴会を開始。






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