058 「わかんない?」
「なんであの女とくっつけさせようとするだ?」
「ボスさんにティアナさんはダメ?」
「恵が勧める理由がわかんねーな」
「美人じゃない」
「は?お前の方が美人だ」
「そーゆー言葉求めてないよ」
次々と商品をカゴに入れて気付く。
これスクアーロが買うのか。
「あの女はXANXUSじゃなく、沢田綱吉の妻の座を狙ってるらしいぞ」
「噂だよ、あの人にそんな欲あるように見えた?気配りがなっててサポートに徹してる彼女がそんな野心ないわ」
「狙ってるからこそ、サポートに徹してるんだろ」
それに、とスクアーロは付け加える。
「本心のわかんねー女だ」
「わかんない?」
「本心を見せようともしねーからな。だからオレも他の幹部もあの女を好かない」
つまり幹部達も気に食わないからこそ、XANXUSとくっ付けようなんて思っていない。
ティアナはヴァリアー幹部には不人気のようだ。
恵は納得いかないと唇をつき出す。
「でもさぁ、平然とボスさんと並んで座れるのはあの人だけじゃないの?」
「あ…?…………そーいやぁ、アイツがあの女に物を投げたところみたことねぇな」
「実はXANXUSさんはっ!」
「ねぇな」
恵の希望を打ち砕くスクアーロ。
「さっさと行くぞ。他人の恋路に首突っ込むんじゃねぇよ、その前に自分のこと考えろぉ。ユニに帰る方法訊いたんだろ?」
「ん…スクアーロとあたしの気持ち次第だって。スクアーロがあたしを連れ帰りたいとか思ったからここにきたから、スクアーロが帰してやりたいと思ってくれれば帰れるんだ」
「帰してやりてぇなんて、思わねぇぞぉ」
「やっぱりか。」
またもや打ち砕かれる恵。
ズルズルとスクアーロに引きずられてゆく。
「とりあえず君の恩返しをもらうため、一週間と三日だけ居させてもらうよ」
「ずっといろ」
「危険度による。生活用品買ってくれるなら服も買ってくれるんでしょ?」
「服はオレので十分だろ。部屋出れば危険だしな」
「…四六時中ワイシャツ一枚でいろと?」
「十分だろ」
ニヤニヤ笑うスクアーロに蹴りを入れたがダメージがないもよう。
「スクアーロ。忘れてるみたいだから言うけど、あたし達会ってから三週間しか経ってないよ?」
「だからなんだ?」
「キスしたからってエスカレーター式に進めると思ったら大間違いだ」
「……優しくしてやるから」
「囁いても無駄だ!」
「ハン、どうだかなぁ。二回目のキス、その気になってたじゃねーか」
「なっ、なってないもんっ!」
「真っ赤だぜぇ?クククッ」
20120509
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