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051 「その原因はずばり」




「お忙しいのに時間を裂いてくださりありがとうございます」

「あっ、いえいえ!」

「大丈夫ですよ、恵さん」

「忙しいのはこっちも同じだろぉ」

「スクアーロ…」


XANXUSのように威圧感を向けられたわけではないが、少し緊張して恵はまず忙しいであろう二人に礼をいう。
そこにスクアーロが水をさす。


「てめぇ!散々探し回ってやったのに!」

「落ち着いてよ!獄寺くん!」


綱吉の隣に立っていた獄寺隼人が掴みかかる勢いだったため、綱吉は慌てて止めた。


「礼を言いなさいって」

「オレは頼んでねぇぞぉ」

「言いなさいって」

「断る。」

「子供か!」


コソッと小声で恵が言うも、スクアーロはそっぽを向いてしまう。


「いいんだよ、ほんと…オレ達が勝手に探したんですから」

「ではあたしが代わりにお礼をいいます、どうもありが」

「やめろぉ!」


綱吉が優しいことを言うから恵が深々と頭を下げようとしたらスクアーロが額を掴み上げさせる。

コントみたいな動作に、綱吉は吹き出した。


「…」

「…」

「あっ…」

「…クス」


あとからユニも小さく笑いを溢す。額を押さえる恵も笑みを溢した。


「あっ、敬語とか、いらないですよ!オレ達年下だし」

「あたしもいらないよ。えっと、信じてもらえたのかな?あたしが別の世界の住人だって」

「はい、存じ上げております」


一気に緊張感が緩んで早速本題に入る。

ユニは可愛らしい笑みで頷いた。


「スクアーロさんが全く見えないときは本当に不安で仕方なかったのですが、無事でなによりです」

「…けっ」


ユニの言葉にも反抗期の子供みたいにそっぽを向くスクアーロの脛を恵は蹴る。

それを唯一目撃していた山本が笑った。


「この世界に戻ってきた瞬間、お二人が見えました。別の世界の住人ということは事実だとちゃんとわかってます」


シャーマンであるユニがそう言ってくれると安心できてホッとする。


「ユニもこう言ってるし、オレ達は信じるよ」

「…ありがとう!」


綱吉も微笑んで言ってくれた。


「原因はわかるの?」

「はい」


コーヒーカップにエスプレッソを注ぎながらそれとなくティアナが聞く。

気配りのなった女性だと恵が感心していればユニが頷いたので目を丸めた。


「えっ、わかるの?スクアーロがあたしの世界に来て、あたしがスクアーロと一緒にこの世界に来ちゃったこの現象の原因が?」

「はい」


恵の世界にいる間は何も見えない的なことを匂わせたから、流石に原因を追及できないと思ったのにユニは自信満々に頷く。

スクアーロもこればかりは食い付き、身を乗り出す。


「その原因はずばり」

「ずばり…?」

「……」


一同がユニに耳を傾けた。


ユニが勿体振ってエスプレッソを一口飲むから恵もティアナの淹れたエスプレッソを飲んだ。





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