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銀色が穏やかな光を放ち、緩やかに眠りから起こす。

覚えのない甘い香りに包みまれていた。






目を開けば、眉間に皺を寄せて眠る男の顔が一番に飛び込んだ。

彼も目を覚ましたらしく、瞼を開いた。

彼の瞳にあたしが映る。

頭がいきなり覚醒して飛び起きた。
そして寝起き一発で声を上げる。


う゛お゛ぉいっ!!誰だてめぇっ!

「………あたしの部屋、なんだけど」


彼の声であたしの悲鳴は掻き消された。或いは出なかったのかもしれない。

長い白銀の髪と日本人じゃない顔立ちを凝視してから掛け布団をギュッと抱き締めつつ、周りを見た。ここは間違いなくあたしの部屋。ぼろアパートの和室。

コタツテーブルに本棚。そしてベッド。間違いなく「てめぇっ誰だ!?」と問われるのはこの男だ。


なんだ!?このみそぼらしい部屋は!

「みそぼらしくて悪かったな」


思わずあたしは朝から怒鳴り声を轟かせる男をベッドから蹴落とす。


あ゛ぁ!?なにしや

「しっ!ここは壁が薄くて丸き声なんだから大声ださないで」


ベッドから落ちた彼の口を手で押さえ込む。


「落ち着いて…。落ち着いて…」


相手に言いつつも自分にも言い聞かせた。押さえ込む手は確かに彼の感触がある。
ベッドの上から彼の目を覗き込む。高い鼻、きりっとした目つき、白い肌、艶やかな白銀の髪。手を退かして唇を見る。


「…あなた…スクアーロ?」


何かがこみ上げてきたから堪えつつも聞いてみた。
彼はポカーンとして目を丸める。


「スクアーロっ」


あたしは思わず口元が緩む。

ベッドから降りて未だに理解できずポカーンとする彼にぐんと近付いてペタペタと彼に触った。

彼の額に顔に首に髪に、はだけたYシャツの上から胸に腹に足に触れる。


う゛お゛ぉいっ!!

「ひゃんっ」


間近で押さえ込む大声を出されたから驚いた。耳がキンとする。






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