空色少女 再始動編
363 蘇生役
「…蘇生する役ねぇ…」
「スクアーロとか」
「却下」
「ベルとか」
「却下」
「…ルッスーリアとか」
「口軽そう、却下」
スクアーロ達には隠したいようだ。
「ならやめるべきだよ…。死にたくはないだろ?」
「…お願い。マーモン」
今度は上目遣い+甘えた声で頼み込んできた。
紅奈のこの頼みを断ると次は力付くで頼んでくる予測したマーモンは考える。
最初から引き受けるんじゃんかった、と後悔した。
「じゃあレヴィ?」
「吐き気がする。」
「………引き受ける代わりに、君の命の保証がなきゃだめだからね。見たところ酷かったよ…このトラウマは相当酷い」
「風呂に潜るのも駄目なんだ」
「…重度だね。医者に診てもらうべきじゃないのかい?」
「元凶を取り除かなきゃだめだってさ。できりゃ克服してるっつーの」
主治医のシャマルが言っていた。
トラウマの元凶は死への恐怖に、XANXUSだ。
絶望していた最中に、死にかけたのだ。
絶望にXANXUSが含まれている。
彼を救い出さなきゃ克服出来ない。
それじゃあだめだ。
XANXUSを救い出すその前に克服したい。
「…元凶って?」
マーモンが問うが、紅奈は答えない。
「トラウマ。誰にも話すな」
「…わかってる」
めんどくさくなり、地べたに横たわる紅奈。
マーモンに話したのは、幻術が必要だったからだ。
弱い部分をこれ以上話すことは出来ない。
「今日家に泊まる?」
「トンボ帰りするよ」
「そう。次は泊まっとけよ、母さんの料理美味いよ」
「遠慮するよ」
「そりゃ残念。さて、修行やろうか」
ひょいっと起き上がった紅奈。
気を撮り直して、修行をするようだ。
やれやれ、とマーモンは肩を竦めた。
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