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空色少女 再始動編
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「任務用通信機、持ってきたわよ!紅奈ちゃん!」


そこにタイミング悪く入ってきたのはルッスーリア。


「通信機…何に使うのですか?」


オッタビオがルッスーリアを振り返っているうちに、紅奈達は睨んでルッスーリアに口止めをする。


「ありがとールッスお姉さん。じゃあミッションごっこしよう」

「ミッションごっこ…?」


紅奈が誤魔化すためにいう。


「私もまぜていただけますか?」


オッタビオは微笑んで言う。

なにがなんでも家光の実子である紅奈と関わりたいようだ。


紅奈はにっこりと笑顔を向けて、銃口をオッタビオの額に向けた。


その場の空気が、凍てつく。


「じゃあ敵役をやって。貴方が撃たれたらあたしの勝ち」

「…それは……」


玩具の銃ではないことくらいオッタビオはすぐ気付いた。

紅奈が笑顔のままトリガーに指を添える。


「ああ、そうでした。私は仕事があるんでした、すみません、紅奈様」


そう言いながら冷や汗をかいて慎重に後退りしていくオッタビオ。


バンッ!


紅奈が可愛らしい声で銃声を言うが、一同は焦りが走って震え上がった。


「そっか、残念」


にっこり。
紅奈は銃をおろした。


「では失礼します」


丁寧にお辞儀をしてオッタビオは部屋を後にする。


しんと静まり返る中、「ケッ」と紅奈は吐き捨てた。


「胸くそわりぃ野郎だ」

「んま!スクアーロの口の悪さが移ったのね!」

「紅奈は元々キレると口が悪くなる、オレのせいじゃねぇ」

「なんでそこまで彼を嫌うのさ?」

「オレもアイツきらーい」

「存在が嫌いだ。」


存在そのものを嫌いってる!!

オッタビオを憐れに思えた一同だった。

スクアーロ達といると口調が悪くなるのは事実である。


「タピオカは好きだ」

「タピオカ関係ないわ、紅奈ちゃん」

「タピオカジュース飲みたくなった」

「そうゆうことか…」

「もらいに行ってくるね」


紅奈は椅子から降りて、ルッスーリアの持ってきた通信機を取ってキッチンに行こうとしたが、スクアーロに襟を掴まれて止められた。


「一人で行かせると思うなよ…?」

「…チッ」


前回似たような事件でスクアーロは学習している。紅奈を一人にするとろくなことにならない。





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