空色少女 再始動編
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「タイムリミットは18時間かな」
稽古するために作った時間だが、こちらに使う方が有意義だ。
「今すぐおろす!」
「待て。まだ目的がわかってない」
「取っ捕まえて聞き出せばいい!」
「確認したけどいなかったよ」
「こっちの動きに気付かれちゃ逃げられる」
「なー、ビデオ見返したらさ。マーモンとルッスーリアのそばに置かれたポットもすり替えられてるぜ」
「僕達は一杯しか飲まなかったから」
「う゛お゛ぉおい!じゃあ全員に盛るつもりだったのかぁ!!」
「スク。声を潜めろ」
場所をXANXUSの部屋に移して会議をした。
ベルが確認した通り、ポットは画面に映った三つともすり替えられていた。
だがベルが暴れたせいでポットは割れて、他のものは飲まずに済んだ。
「オレに感謝しろよ、チビ」
「君達と違って僕やルッスーリアなら盛られてることに気付いたさ」
「う゛お゛ぉおいっ!んなことはいい!どうすんだぁ!?」
「煩いって。」
椅子に座り考え込む紅奈。
「てかさ、紅奈。なんでそんなたのしそーな訳?酒盛られたんだぜ、おこんねーの?」
「ん?」
「う゛お゛ぉおいっ!!そうだぞ!もしこれが毒だった…う゛お゛ぉおい皆殺しだあああ!!」
「煩せぇ!」
床に座り込むベルがマーモンにカメラを渡しながら訊く。
スクアーロは今にも血管が破裂しそうなほど青筋を立てて怒鳴った。
その前に紅奈の怒りが頂点に達して発砲。
いつの間にか紅奈の手には銃。
「……紅奈…その銃はどっから…」
穴が空いた床からゆっくり紅奈に視線を移すスクアーロは問う。
「XANXUSの部屋にあった」
またかよ!!
「万が一のために隠してるって教えてくれたんだ」
「そうか……」
銃を所持している紅奈に撃たれないようスクアーロは静かになった。
「で、なんでそんなたのしそーな訳?」とまたベルは質問する。
「相手が大物なら、チャンスだ。あたしが表舞台に上がるチャンスさ」
ニヤリ、あの自信に満ちた挑発的な笑みを紅奈は浮かべた。
スクアーロ達は目を丸める。
「表舞台って…」
「10代目候補として、相手をぶちのめしてあたしの存在を知らしめる」
「!!!」
紅奈の発言に思わず息を飲んだ。
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