空色少女 再始動編
337
「ムギャー!!!」
奇声とともに何かが突っ込んできて、それが紅奈に衝突した。
「いたぁ…マーモン?」
倒れる紅奈はマーモンの頭突きを食らった額を押さえる。
「なっ…なっ…なにしてんの!?君達は!」
「てんめえ…チビ」
「なにってベルにご褒美」
マーモンに邪魔されてベルはマーモンを睨む。
さらりと紅奈は答えた。
「ご褒美って!ちょっ!き、きき、キスをかい!?君って奴は!君何歳だよ!気安くくっ唇にっキスなんてっ…!だめなんだからね!!だめだからっ!!」
言葉に詰まりつつ小さな腕を振り回して言うマーモンが可笑しくて、紅奈は吹き出して笑う。
「はは、唇にキスって。マーモンたら、勘違いして可愛い」
「ム!?勘違いってなにさ!?今君ベルにキスしようとしたじゃないか!」
興奮するマーモンは激しく腕を振る。
クスッと笑い紅奈はベルの顎を掴んで引き寄せた。
そしてベルの頬に唇をつける。
「褒美はこれ」
にぱ、と笑ってみせる紅奈に、マーモンもベルも唖然とした。
………ほっぺにちゅーでしたっ!!!
二人は拍子抜けして落胆する。
物凄く複雑なベルはクッションに顔を埋めた。
そんなベルの足の間にいる紅奈はぺちぺちとベルの腹を叩く。
ベルはのそっと顔をあげた。
「ベル」
「!!」
紅奈が上からのし掛かってきた。つまり身体は密着状態だ。
「だからっ!なんでっ」とマーモンがなにか言っているが紅奈は聞いちゃいない。
「昨日あたしに酒盛った?」
「へっ…?酒?…あー、あのオレンジジュースか」
「ベルがやった?」
「ちげーって、オレがキングに盛るわけねーじゃん。酒なんて盛ったら紅奈の成長がストップ…うぐっ!!」
「ドイツもコイツも成長身長って!しつこいっ!!」
「っだって…紅奈…身長気にしてんじゃん」
「してねーよ!成長の過程だ!イタリア人とは違うんだよ!」
身体の上に紅奈に乗られたままベシバシと叩かれるベルはダメージ大。
「う゛お゛ぉおい!…ってう゛お゛ぉおい!!なにしてんだ!?」
そこにスクアーロが来た。
ベッドの上でベルの上に紅奈が乗っているを目撃して叫ぶスクアーロを紅奈はじっと見上げる。
「…あたしが成長してもお前達の身長を越すことはないんだろうな…」
「は?」
「いっそのこと腕じゃなくて脚を切り落としてくれればよかったのに…」
(ボソリと怖いこと言ってる!!)
「う゛お゛ぉおい!誰だ紅奈を怒らせたのは!?」
ガクガクとスクアーロは震える。
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