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空色少女 再始動編
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「スクアーロ」

〔紅奈ぁ!?無事かぁ!?〕

「当たり前じゃん。ただ遊んでただけ。今戻るから、大人しく待ってて」


簡潔に話して紅奈は電話を切り、ディーノに携帯電話を返す。


「え?か、帰るのか!?」

「…ええ」

「会うんじゃないのか?友達に」

「……何処にいるかわからないから、会えそうにない」


先を歩く紅奈。


かつての住みかに彼らはいない。

結局、あの場所で待つしかないのだ。


待ち続けるしかない。


「紅奈。なにかを残したらどうだ?」


ひょこっとディーノの肩から出てくるリボーンが言う。


「紅奈が待っていた証拠だ」


それならばもう用意した。
紅奈は林檎を手に持つ。


赤く熟したその林檎を紅奈は待ち合わせ場所に置く。


また会えますように。


そう祈った。








う゛お゛ぉおいっ!!跳ね馬!懲りずにまた紅奈を誘拐とはてめえ喧嘩なら買うぜぇ!!

「スク。帰るぞ」

「待て!コイツをおろしてか…」

「返事は…?」

っ!!、Si(ハイ)!!


ディーノに飛び掛かろうとするスクアーロの義手を掴んで止める紅奈が苛ついた表情を向けたためスクアーロは直ぐ様踵を返した。


「ハンバーガーとエスプレッソ、ごちそうさま」

「え、あ、ああっ!」

「またな、紅奈」


スクアーロの義手を握ったまま並んで歩きながら、一応紅奈は挨拶をする。

ディーノがブンブンと手を振るとリボーンが意味深に言った。


また会うのは必然のようだ。


「イタリアに来る度、なんで失踪するんだぁ?」

「失踪じゃない。マーモンに言ったじゃん」

「今日稽古つけろって言ったのは忘れたのか!?」

「忘れてない、お前が迎えに来なくてもこの時間に戻ってた」


スクアーロの車で屋敷へと戻る。

本当に過保護さと大声という欠点がなければ、大好きなんだけどな。

じっと紅奈はスクアーロを見上げた。


「……なんだよ…」


前を見つつ運転するスクアーロはチラチラと紅奈の視線を気にする。


「別に」

「………」

「なに?」


今度はスクアーロが見てきた。


「いや…その…だな……」

「ゴニョゴニョすんな、らしくない。はっきり言え」

「っ!昨日のこと!…覚えてるかぁ!?」


急かされてスクアーロは勢い任せに訊く。
昨夜のこと、記憶にあるのかどうか。


ドクドクと高鳴る心臓。

スクアーロはギュッとハンドルを握り締めた。


「昨日?夕食から記憶ないけど…なんかあった?」


ガクリ、とスクアーロは項垂れる。


(……やっぱり覚えてねぇのかっ!!!!)


「前向いて運転しろよ。てかなんでお前はベッドの隣に座り込んでたんだ?」


ショックで俯いてしまうが紅奈を乗せて運転しているため、顔を上げて前を見た。


酔った紅奈の本音を聴いたら、一人にできなくなったなんて言えない。

酔って本音をぶちまけたことを知った紅奈の反応も気になるが、すごく自分からは言えない。


「…昨日の夕食時に誰かがオレンジジュースにウィスキーをいれたんだぁ…それで酔ったお前を介抱してたんだ」

「………まじか?記憶なくすほど酔ったのは初めてだ」

「……前にも酔ったのか!?飲酒常習犯か!?だから身長がのび」

アホかっ。身長は成長期前だからに決まってるんだろ!アホかっ!


紅奈の蹴りがスクアーロの顔に決まる。

現世での飲酒は初めてに決まっているだろう。

記憶がないのは酔ったせいだということなら納得だ。







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