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空色少女 再始動編
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「あっ」とそこで紅奈は声を漏らす。
きょとん、とディーノは首を傾げてどうしたのかを訊いた。


「朝御飯食べてないから、お腹空いた」

「んな!?それ早く言えよ!待ってろ!」


聞くなりディーノはロマーリオの車に向かって走った。かと思いきやUターンして戻ってきた。


「なに食べたい!?」

「…要求したものを持ってきてくれる?」

「もちろん!」

「じゃあ……ハンバーガーが食べたい。肉汁が出るような厚みのあるお肉にトマト、キャベツ、それにチーズ。余計なドレッシングやソースは入れちゃ嫌。ピクルスもだめ。大きさはディーノの拳ぐらいで、あと真っ赤な林檎一つよろしく」

「!?」

「じゃあオレも同じやつな」


お言葉に甘えて今食べたいものを要求した。

細かい注文がくるとは思いもしなかったディーノは戸惑いつつも頭で覚えようとしながら車に向かう。


「今日はいつまで待つんだ?」

「…………今日は長く待たない」


リボーンの問いに紅奈は顔を上げて答えた。目に映るのは、スカイブルー。


「ちょっと待ってろ」


その声にリボーンに目を向けると、リボーンは何処かに歩き去っていった。

一人残る紅奈。

結局、一人にしてもらえた。


左右を見ても、待ち人の姿は見当たらない。


膝を抱えて俯く。
前みたいにうとうとしているうちに来ないだろうか。


骸は…。

骸は、まだ待っていてくれているだろうか。

もう待つのはやめてしまったのだろうか。


早くしないと骸は、骸達は罪を積み重ねてしまう。その前に手を差し出す。


紅奈が無の闇の中に囚われていた時、ジョットが手を差し出したように。

闇の中を無我夢中で突っ走るのをやめさせないと。


(……今のあたしには、ちゃんと希望がある)


闇の中にいる。

けれども、ちゃんと前には希望の光が射し込んでいる。

それに向かって突き進む。


立ち止まる。そんな選択肢はない。





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