空色少女 再始動編
329 将来の恋人
「スクアーロは紳士よ。昨夜二人で一緒に寝たんだけど」
「え」
「スクアーロ、冬だって言うのにベッドに入らずベッドの横で寝てたの。布団もかけずにね」
「そりゃあ、紳士ですなぁ」
「そうでしょ?」
ロマーリオが感心する。ディーノは一晩一緒に寝ていた事実に驚愕中。
「紅奈、そのスクアーロのこと好きなのか?」
リボーンの直球な質問に反応するのは、ディーノで身体を強張らせた。
「好きって?」
「スクアーロに恋してるのかどうかを訊いてるんだぞ」
「おまっ、なに訊いて!」
またディーノは過剰反応。
訊かれている紅奈は退屈そうに頬杖をついて窓の外を見ている。
「んー…どうかしら。結婚してもいい相手だとは思うし、頼りになっていてくれなきゃ困る人だと思うし、かっこいいし可愛いとこもあって……嫌なとこは過保護で声がでかすぎるとこだけかしら」
スクアーロの褒め殺しに、チクチクとダメージを喰らうのはディーノただ一人。
「でも今は素敵なお兄ちゃんってところかな」
「今は…?」
「将来は本物の恋人かも」
「なっ…!」
さらりと言うとまたディーノが過剰反応。
うざい、と紅奈は冷たい目を向けた。
そんなこと会話をしているうちに、例の待ち合わせ場所に到着。
紅奈が降りるとディーノとリボーンも降りた。
「…今日は一人にしてくれないの?」
「ああ。また倒れられたら、お前の親父に会わせる顔がなくなるからな」
「オレはスクアーロにぶった斬られる…ははっ」
今日は待ち合わせ場所に一緒に行くそうだ。
前回と同じ繰り返しをしないためだとか。余計だな。
三日前と何一つ変わらない。
路地のゴミ捨て場の隣。
紅奈はそこに腰を落とした。
目の前には、ディーノとリボーン。
「…ロマーリオさんは?」
「ロマーリオは暖房が効いた車の中で待ってるぞ」
「ロマーリオさんって、なんなの?」
どうせ暇になるのだからと紅奈は探りをいれてみた。
ディーノがギョッとする。
「ロマーリオはディーノの部下だぞ」
あっさりと答えたのはリボーン。
「部下?ディーノは上司ってこと?」
「そうだぞ」
「…ふーん」
冷や汗をかくディーノ。
紅奈はそれ以上訊くのはやめた。
リボーンならあっさりと「マフィア」と言いそうだが、どうやら家光に口止めをされたようだ。
マフィアのことは伏せている。
つまりは家光はマフィアについて、紅奈は知らないと思っているということだ。
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