[携帯モード] [URL送信]

空色少女 再始動編
328



「病気で寝込んでたって聞いたけど……もう平気か?」

「……なんで知ってんの?」

「シャマルから聞いたぞ。お前の主治医だってな」

「…ふーん、シャマル先生に」


助手席に座るリボーンが振り返る。

シャマルとは知り合いだったな。

シャマルも知っているかどうかわからない。


先ずは周辺整理をしようか。
一年の空白に何がどう変わったか。
今後リボーンやディーノとの関係も注意すべき点。

それから骸達を見付け出し、XANXUSを出す。


骸達と出会ったそのあとは鍛えて、そして有力候補者を越える何かをして注目を浴びればいい。

リング戦が起こるその前に、指輪を手にいれなくては。


初代はまた会いに来なかった。
助言はしてくれないだろう。


「紅奈……その…えっと…」

「……」

「観光ならさ、オレ案内しようか?」

「結構よ」


ズバリ、と紅奈は隣のディーノに断った。


「うっ………あっ…髪、伸びたな」

「先月も同じこと言ったわよね」

「…うっ…」


なんとか会話しようとするディーノだったが、紅奈はまた切り捨てる。

その度、ロマーリオとリボーンは静かに笑う。


「紅奈……轢いたこと、怒ってる?」

「怒ってない。しつこすぎて殴りたいくらいだわ」

「ご…ごめ…」

「あたしに轢かれればしつこく謝ることやめてくれる?」

「…………」



イラついたご様子の紅奈にとうとう黙り込んだディーノ。

ロマーリオは必死に笑いを堪えた。


リボーンは後ろを振り返る。
我が教え子はブロークンハートで涙目。好きな子に振り向いてもらえず落ち込んでいる。なんとも情けない。


せっかく後部座席は二人きりにしてやったというのに、空振りばかりだ。


「そういえば紅奈。スクアーロとは恋人じゃないんだってな」

「…」

「お前の父親から聞いたぞ。ディーノの誤解らしいな」

「…いえ、あたしがデマを言っただけよ」


流されつつあったのに嘘を暴かれた。
バッとディーノが顔を上げてみる。

ボロが出る前に白状した。


「なんでデマを…」

「気分でジョークが出たの」

「嘘の恋人を言い触らすと、お前のことが好きな奴が寄って来なくなっちまうぞ」

「それスクアーロにも言われた。紳士は皆そう言うの?」

「紳士…?スクアーロとリボーンが紳士!?」

おい、文句あんのか。ディーノ


リボーンに殺気を向けられてディーノは震え上がった。



[*前へ][次へ#]
[戻る]

[小説ナビ|小説大賞]