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空色少女 再始動編
326






ぱちっ。


目を開く。

カーテンの閉められていない部屋は朝陽に照らされている。


見覚えある天蓋で自分はXANXUSの部屋にいることを知るが、夕食からここまで戻った記憶がまるきりない。


起き上がると頭にぼんやりと違和感。


そして視界に入るのはスクアーロ。


まるで初めて会った日のようだった。
目覚めれば見知らぬ銀髪の少年がベッドの脇に眠っていた、あの日。


今日は紅奈の左手を握ったまま寒い冬の朝だと言うのに、布団もかけずベッドに頭を乗せて床に座り眠っていた。


(なにしてんだ、コイツ)


紅奈は不思議に思ったが、このままでは風邪を引くと思い掛け布団をスクアーロにかけてやる。


起こさないように慎重に…なんてことはせず、布団をバッとベッドの上から振り下ろすように引っ張ってスクアーロの頭から被せた。

それから顔を出してやったが、起きない。


頬に触れると冷たかった。

すぐに温まるように布団で包み込むように寄せてやる。


ずっとそばにいたようだ。


ベルみたいに潜り込めばいいものの。何気紳士で可笑しい奴だ。

そう紅奈は笑みを洩らす。


それからスクアーロの額に、口付けを落とした。


途端にスクアーロの顔が赤く染まる。
眉間にシワが酔った。


どうやら起きていたようだ。


それでも寝たフリをしようとしている。


可笑しくて吹き出しそうになったが、紅奈は堪えて声に出さずに笑う。


くしゃ、と頭を撫でてもスクアーロは目を開こうとしなかった。


紅奈は笑いを堪えつつ、ベッドを降りて朝飯を摂ろうとXANXUSの部屋を出る。


目の前には、シルクハットにスーツを着こなした赤ん坊が立っていた。


「ちゃおっす」


高い声で挨拶。


「…ciao。……なんでここにいるの?」


ここは間違いなくヴァリアー邸だ。
その廊下にこの赤ん坊がいることに違和感を感じて仕方がない。


「挽回のチャンスをもらいに来た。もう一度あの待ち合わせ場所に連れていくから、来ないか?」

「………」


挽回のチャンス。
自分がそばにいたのに病気にしてぶっ倒れさせたからか。或いは教え子が轢いたからなのか。


紅奈は部屋の奥にいるスクアーロを振り返る。


それからリボーンを見下ろした。


「いいわ」










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