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空色少女 再始動編
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「お前気付かなかったのか!?何杯飲んだ!?」

「んーぅ……ベスタに首輪をつけたあとに…味変わったと思った」

気付いたなら飲むな!!

「…ム。オレンジジュースにウィスキーが入ってるよ」

犯人は誰だああああああぁああっ!!!!!


オレンジジュースを入れた硝子の容器にウィスキーが混入されていることにマーモンは気付いて報告。

血管を今にも破裂させそうなスクアーロの声が轟く。

オレンジジュースを注文したのは紅奈だ。
明らかに紅奈を狙った犯行。


てめえか!?レヴィ!!

「違うぞ!オレはやってない!」

「レヴィは近寄ってなかったじゃん。良いじゃん、飲んじゃったんだし。毒じゃなかったし。だからもういっぱ」

駄目だっつってんだろう゛お゛ぉおい!!!つか毒同然だ!ただでさえ身長気にしてんのに成長ストップするぞう゛お゛


スクアーロの怒鳴り声が不意に途切れる。

銃声が轟いたからだ。


紅奈が飲まないよう取り上げたオレンジジュースの入った硝子の容器は弾丸が貫通して粉々になった。


紅奈の握る銃が、煙を吹く。


「もっかい、言って。聴こえなかった」


にこり、紅奈は無邪気な笑みを向けた。

先程とは違い、その場は凍り付く。


「……紅奈…その銃…どうした…?」

「ん、ザンザスのベッド」

「そ…そうか………。とりあえず寄越せ…な?」


スクアーロは慎重に手を伸ばす。

相手は銃を持つ紅奈。

少なくともウィスキー入りオレンジジュースを三杯飲んでいる紅奈はただいま絶賛酔っ払い中だ。


「やだ。あたしもらう」

「必ず返すから…今は!オレに預けろ…な?」

「やっ!」


つんっ、と紅奈はそっぽを向く。


「お嬢!ほらもう一杯欲しいんだろ?銃と交換だよ!」

「んー、うんっ」


マーモンが咄嗟にベルのコップを掴み、紅奈に差し出す。

紅奈はすぐに銃をマーモンに渡してコップを受け取り、また無邪気な笑みを溢した。


酔っ払いから銃を奪還してホッと安堵して、そしてキュンとする。


完全に無防備な紅奈がニコニコ笑顔を晒しているのだ。

気分が良くて口元を緩ませ、頬を赤らめたまま眠そうに細めた目で見上げてくる。


悪戯な笑みでも偽りの笑みでもない。

純真で天真爛漫の笑顔。


くり、と首を傾げる仕草。

一々可愛らしい女の子らしい仕草。


「もうっ!抱き締めてあげたいっ!!」

「抱き締めてんじゃねぇかう゛お゛ぉおい!!」



母性本能が擽られたのか、ルッスーリアが紅奈を抱き締める。スパーン、とスクアーロが頭を叩いた。






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