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空色少女 再始動編
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「紅奈。このままやめるか?」

「まだ始めたばっかだろ。それにコツは掴めたからいける」


切り上げるかどうかをスクアーロが訊けば、キリッと目付きを鋭くするものの立ち上がらない紅奈。もう少し休むつもりらしい。


「今のでコツを掴んだのか…?」

「おう。いける」


ニッと笑ってみせた。


それは強がりではなかった。


リフトに乗り、スタート地点に戻った紅奈は躊躇なしで滑り出す。

スクアーロの心配を他所に紅奈は順調に降りていく。


一度転んだが、滑る楽しさを覚えたのか笑い退けてまた滑っていった。


終盤はベルと競って滑るほど上達したのだった。


宣言通り、一日で滑れるようになったのだ。


「あの娘って本当に末恐ろしいわよね……」

「同感だぁ…」


ルッスーリアとスクアーロは呟いた。









陽が暮れる前にスキー場を後にしてルッスーリア達と一旦別れてから、奈々達と合流してレストランで食事を摂る。


今日のスノボー経験を主に綱吉がはしゃいで話した。(ちなみに綱吉は一回滑っただけで降参したため、内容は紅奈のことばかり)


その後はハワイ旅行と一緒で別の場所で宿泊。


家族旅行なのに完全に夫婦旅行となっているが、子供達が楽しんでいる上家光とのラブラブ旅行に奈々は上機嫌。

一方家光は子供との時間がますます減っているが紅奈に拒まれているならどうしようもできない。

大人しく見送るしかできなかった。


ルッスーリア達ともう一度合流したのは宿泊先が他でもない────────ヴァリアー本邸だからだ。


バレたら殺される、とスクアーロは家光の形相を思い出して密かに青ざめた。


久しぶりのせいか、それとも雪をかぶっているせいなのか。
別の屋敷に見えた。


「背中流すわ、紅奈ちゃん♪」

「させるか!カマ野郎!」


先に紅奈と綱吉が風呂に入る。

予め用意されていたバスルームは泡に満ちていた。


それに綱吉がはしゃいだ。
紅奈はゆっくりお湯に浸かった。


今日の疲れが取り除かれているようで気持ちがいい。
このまま眠りたく思えたがはしゃぐ綱吉に泡をかけられ、眠れなかった。


「ん?…仕事か?」


上がれば部屋にいたスクアーロ達はヴァリアーの制服に身を包んでいた。

ほぼ毎日スクアーロと連絡を取り合っていて、そのスクアーロからヴァリアーが再機能し始めたことは聞いている。


クーデターの件で表舞台に上がるにはまだ時間がかかるが、暗殺部隊は必要故ヴァリアーは再び動かすしかないのだ。


「ああ。オレ達の他にこの屋敷に残るのはマーモンとベルと紅奈達だけだ。安心して寝ていい、朝には戻る」

「朝には戻るって…なんだかスクアーロ、紅奈ちゃんの夫みたいね!」

「う゛お゛ぉいっ!」


他の隊員は出払っているのだろうか、屋敷には幹部であるルッスーリア達しかいないようだ。

任務に向かうのはスクアーロとルッスーリアとレヴィ。


スノボーをして疲れ果てた紅奈と綱吉はすぐ眠ると思い、スクアーロはベルとマーモンに子守りを任せて任務に行くことにした。


「ねぇ、あなた」


ルッスーリアの冗談に乗っかって、夫を呼ぶように紅奈はスクアーロを呼ぶ。


「あたしも連れてって」


にっこり。紅奈は微笑んだ。









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