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ひらひらの小説
ANGELIC LAYER外伝 fight−1 「私のエンジェル誕生」
ANGELIC LAYER外伝 Fight−1 「私のエンジェル誕生」


私、神原美那 14歳。
何も刺激のない一年を終え、一つ学年が上がりました。
でも、私、何やりたいのかな?

「はぁ・・・ 憂鬱だぁ・・・」
「な? どないしたん??」

今、私に話しかけてくれてるのはANGELIC LAYERを知っている人なら誰でも分かる人・・・
エンジェル・ヒカルのデウス(操縦者)、鈴原みさき。
同じクラスになって、初めて見た時はほんとに小さい子だなぁって思ったけど、実際話してみると凄くしっかりとした子なんだなぁって分かった。

「いや〜 私もエンジェリックレイヤーやろうかなって思っててさ・・・」
「な? 美那ちゃんもエンジェリックレイヤーやるん?? それやったら、わたしも協力するよ」
「いや、でも、鈴原さんに悪いし・・・」

私の言葉に鈴原さんは首を横に振りながら断ってくれる。
ほんとにいい娘なんだなぁ・・・
めちゃくちゃいい笑顔してるし・・・

「美那ちゃんも一緒にやったら楽しいよ。 わたしがいろいろ教えるから、やろう?」
「それじゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな・・・ えっと、よろしくね、鈴原さん」
「うん!」

というわけで、放課後、私達はPiffle Princess直営のショップに来ました。

「しっかし、エンジェリックレイヤー関連のものって結構いろいろあるんだね?」
「そうなんよ。 わたしもエンジェリックレイヤー始めたばっかりの頃は美那ちゃんと同じこと考えてたん」

意外だね〜
鈴原さんって最初から分かってて始めたんだと思ってたけど。

「じゃあ、何買ったらいいか、教えてくれる?」
「うん、ええよ。 えっと、これとかそれとか・・・」

えっと・・・
鈴原さん?
何で、そんなに次々取り出してるの??
もしかして、エンジェリックレイヤーって結構必要なものがあるの??

「そうなんよ。 わたしもそれで最初は驚いてしもて・・・」
「あぁ、うん・・・ 分かるよ・・・」

鈴原さんの言葉に私が同意すると鈴原さんも少し苦笑してた。

「じゃ、買ってくるね。 鈴原さんは待ってて」
「うん、分かった。 待ってるなぁ」

そう言って、鈴原さんは階段近くのベンチに行った。
さて、早く買ってこようかな。

というわけで、エンジェリックレイヤー関連のものを買ってから鈴原さん家でエンジェルを作ることになった。

「何で、私達、お風呂に入ってるの?」
「説明書にも書いてあると思うんやけどエンジェルは卵の中にある衝撃吸収剤っていうので包まれてるんよ。 だから、お風呂とかで開封せなあかんのよ」

へぇ〜
さすが、ハイテク満載のおもちゃってわけだ〜
じゃあ、開けようかな。

「うわ〜 凄いグロテスクだねぇ・・・」
「そうやろ。 わたしも最初にエンジェルの素体を見た時はそない思ったんよ」

素体?
っていうことはこれはまだエンジェルじゃない??

「エンジェルができるまではまだいろいろとしないといけないんよ」
「へぇ〜 結構、大変なんだぁ〜」

私が呟くと鈴原さんも少し頷いていた。
経験者は語るってやつかな?

「そんなんやないよ・・・ あっ、そうや! 美那ちゃん、わたしのことはみさきって呼んでな」
「えっと、いいのかな・・・」

私の言葉に鈴原さん、ううん、みさきは力強く首を縦に振っていく。
みさきってなんか小動物みたい・・・

「な? どないしたん??」

おっと、少しボーッとしてたしてたみたい・・・
いかん、いかん・・・

「じゃあさ、みさき。 私は次に何したらいいのかな?」
「次はエンジェルの髪型を決めたらなあかんのよ」

私のエンジェルの髪型はやっぱりロングヘアーかな。
私が書いてる小説の中のヒロイン、梨杏みたいに・・・

「へぇー 美那ちゃんはロングにするんやね。 ヒカルはショートカットやからちょう羨ましいなぁ」
「そうかなぁ・・・ でも、ショートカットもいいよね」

私の言葉にみさきは少し照れたふうに笑った。
やっぱり、自分のエンジェルを褒められるってくすぐったいのかな?

「髪型決まったんやったらエンジェルのタイプ決めなな」
「エンジェルのタイプ?」

私が少し疑問がありそうな顔をするとみさきはすぐに答えてくれた。
なんでも、エンジェルには軽量型や重量型と身体的なタイプとスピード重視型やガード重視型などの能力的なタイプとがあるらしい。

「美那ちゃんはどんなタイプの子にするん?」
「私もスピード重視の軽量型にするよ」

私がそう言うとみさきは慣れた手つきで機械を操作していく。
いやー 凄いもんだねー

「美那ちゃん。 この子の名前、何にするの?」
「リナ・・・ うん! リナにする!!」

みさきはエンジェルにリナの名前を入力してくれた。

「わたしのエンジェル・・・」
「うん! 美那ちゃんのエンジェル、リナが今生まれたんや!!」

みさきってば私以上に喜んじゃって・・・
でも、嬉しいな・・・


私とみさきはエンジェルの、リナをよりよく動かすための練習にPiffle Princessの経営しているトレーニングセンターに来ています。
もちろん、先生はみさき。

「そんな!? 私、先生なんて!!」
「まぁまぁ。 とりあえず、リナを動かすにはこのコントローラを頭につければいいんだよね?」
「うん」

みさきはそう言いながら自分の頭にコントローラをつけていた。
私もそれに習い、コントローラをつけていく。

「じゃあ、始めよっか」
「うん!」

私達は自分のエンジェルをテーブル(レイヤー)の上に置いた。

「(リナ、行くよ!!)」

私がそう考えるとリナの目が開き、ファイティングポーズを取った。
ヒカルもリナと同じようなファイティングポーズを取っている。

「じゃ、行くよ、みさき!!」
「うん! 美那ちゃん!!」

私はリナを走らせるように頭の中で指示していく。
けど、リナのスピードが私の思っていたものより速くてイメージが合わないのか、少し動きがギクシャクしてる。

「(リナ、止まって!!)」
リナを止めようとしたらリナは止まりきれずこけっちゃった・・・
リナ!?

「大丈夫やよ、美那ちゃん」
「ほんと?」

私の不安そうな顔を見て、みさきは微笑んでくれた。

「美那ちゃん。 立てるように意識してみて」
「うん・・・ (リナ、立って・・・)」

私の意思がコントローラから伝わり、リナが何事もなかったように立ってくる。立ち上がったリナにヒカルが近づいてきて、左右のストレートを放ってくる。
リナに素早く回避させたはずなのにヒカルのパンチはリナを捉えていた。

「(何で、避けたはずなのに・・・ 何が駄目なの?)」
「(美那ちゃん、頑張って・・・)」

なんとか、ヒカルとの距離を取ろうとバックステップで下がっていくとヒカルの動きが止まった。
落ち着いて考えるとリナはさっきの動きでレイヤーの端っこにいた。

「(落ち着かなきゃ・・・ みさきは運動が得意なわけじゃない・・・ だったら、何でリナの動きが分かるんだろう?)」

私がそう考えているとみさきが私をじっと見ていた。

「(そっか・・・ みさきはリナだけじゃなくて私も見てたんだ・・・ だったら・・・) 行くよ、みさき!」
「うん! 美那ちゃん!!」

私はリナに視線を送るんじゃなくてみさきに視線を送ることにした。
かなり恥ずかしいけど、さっきまでみたいにリナの動きが完全に読まれることがなくなった。
私の考えは間違ってなかったみたいだ。

ヒカルの左右のパンチをかわし、リナに左右のパンチを打たせていく。
ヒカルもかわしきれなくなったのか、両手で弾いたりガードしたりすることが多くなった。

「みさき、ヒカルへばったの!?」
「違うよ! リナの攻撃が凄いんよ!!」

また、楽しそうに言うなぁ・・・
みさきはほんとにエンジェリックレイヤーが好きなんだ・・・
でも・・・ だからこそ、負けたくない!!
そんな私の想いが通じたのか、リナの動きがさっきまでと比べて格段に上がった。
これなら、ヒカルとみさきに勝てるかも!!

「行くよ、みさき、ヒカル!!」
「うん! 美那ちゃん! リナ!!」

私達の指示でリナとヒカルは中央へ駆け出していく。
そして、また左右のパンチやキックを相手に叩き込もうとする。
けど、私もみさきも相手のエンジェルの動きを読み始めてるからなかなか当たらない。

「(どうしたらいいわけ? みさきはエンジェルレイヤーのチャンピオンだし普通にやったんじゃ勝てない・・・ そうだ! あれをやってみよう!!)」


私は意識を集中すると、リナの両腕を下ろさせた。

いわゆる、ノーガード戦法ってやつだよ・・・
みさきは私の戦法に戸惑ってるのか、ヒカルはジリジリと近づいてくる。
私もリナにジリジリと近づかせていく。
ヒカルとリナの距離が詰まると私はリナに一気に攻め込むように指示を出していく。
そして、リナはそれに応えるようにヒカルに左右のストレートを叩き込もうとしていく。
けど、ヒカルはそれをかわすと左右のストレートを打ち返してくる。

「(普段はぽわわーんとしてるのにエンジェリックレイヤーをやってる時のみさきは凄い・・・ でも、私とリナはみさきとヒカルを破ってみたい・・・ 勝ちたい!!)」

私とみさきはお互いのエンジェルにさらにスピードを上げるように指示を出していく。
そして、ヒカルとリナはさらにスピードを上げて相手に攻め込んでいく。
しかし、ヒカルとリナの位置関係を私は理解していなかった。

「行くよ、美那ちゃん!!」

みさきがそう叫ぶとヒカルはジャンプすることでリナとの位置を入れ換えてきた。
そして、ヒカルのサイドキックでリナはレイヤーアウトしてしまった。
私はレイヤーアウトして地面に落ちたリナを拾おうとしたけどみさきが駆け寄ってリナをレイヤーに戻してくれた。

「ヒカルはやっぱ強いね。 敵わないや」
「そんなことないよ。 リナはめっちゃ強かったよ」

みさきはお世辞を言うような子じゃないってのは最近分かったけどこれだけ差があってそう言われるのは少しきついよ・・・

「美那ちゃん、帰ろ?」
「そだね」

私はみさきの言葉に頷いていく。
今はまだまだ弱いけどこれから強くなればいいんだから問題ないよね。


to Fight−2


次回

Fight−2「強くなるために」

ヒカルに負けた私とリナだけどまだまだ強くなれるって信じてる!
だから、少しでもエンジェリックレイヤーになれないとね!!
というわけで、次は私とリナの日常をお送りします!!


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