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ドラクエの愛
これからもずっと
結婚式の夜、アベルはルドマンから譲り受けた舟で夜風に当たっていた

目的も果たしたし、人生のパートナーと出会った

ヘンリーにも早く嫁さん貰えと言われていたが、こんな唐突な出来事で結婚までするとは、アベルは思っていなかったのだ

しかし結婚生活はまだまともには始まっていない

アベルとビアンカはまだお互いに不安を抱えていた






「あら、アベルまだ起きてたの?」

「あぁ、風が気持ちよくて」

一人で黄昏ていたアベルにビアンカが話しかけた

「私達、結婚したのね」

「そうだね」

まだ実感はわいてない

結婚生活はまともに始まってから実感がわくらしい

結婚式を終えたばかりの夫婦が1日を過ごすのは緊張が走る

「なんだか実感がわかないな....」

アベルはポツリとそう呟いた







「ねえアベル、一つ聞いていいかしら?」

「え?いいけど....」

「なんでアベルは私を選んだの?」

ビアンカはつかみどころのない表情をみせながらアベルに尋ねる

アベルはその質問を予測していたかのように答える

「君のことが好きだったんだ。子供の頃からずっとね」

アベルはまっすぐに、迷わずそう答えた

ビアンカは予想外の答えと受け取ったらしく、顔を真っ赤にしていた







「ビアンカ」

アベルは顔を真っ赤にしたビアンカに優しく語りかけた

「アベル....」

「これから先何が起こるかもわからない、だけど一つ僕には大切な使命がある。それでも君は一緒にいてくれるかい?」

そう、アベルは魔界に連れ去られた母マーサを助け出すという父パパスとの約束がある

そのため、天空の勇者を探したり、天空の防具を全て見つけたり、するべきことが沢山ある

危険な事も沢山ある、それでもビアンカは一緒にいてくれるのだろうかとアベルは思った

「何があっても、私はアベルのそばにいるわ」

「ありがとう」

アベルは自分の唇をビアンカのそれに優しく接触させた



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