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ドラクエの愛
僕は君を選ぶ
いよいよ花嫁を選ぶ日がきた

アベルはまだ迷っていた

「僕はどちらを選ぶのだろう」

自分で選ぶ花嫁すらわからない

アベルは不安な気持ちのまま外に出た










「お、噂のアベルさんじゃねぇか」

「おい、どっちを選ぶか懸けようぜ」

民衆の声が聞こえる

彼らの声はアベルにとっては苦痛にしかならなかった

ばかにされてるか冷やかされてるようにしか聞こえなかった

「はあ」

アベルはサラボナの町に来てから何度目かもわからないため息をついた







アベルはとうとうルドマンさんの屋敷の前についた

そこに1人の男性が立っていた

「あの人は....」

アンディさんだ

死の火山で倒れていた男だ

結局その後、町まで運んでフローラさんに治療してもらったらしい




「ケガの具合はどうですか?」

アベルはアンディに尋ねた

「ああ、もう大丈夫です....。フローラが治療してくれたもので」

アンディは下を向きながら言った







「....アンディさん、立ち合ってもらえませんか?」

「?ええ。かまいませんが」

「お願いします」

アベルはアンディを連れてルドマン邸の中に入った









「おお、アベル君。待っておったぞ。さあ、フローラとビアンカさん、どちらを選ぶのか....」

「ちょっと待ちなさいよ!」

階段の上からなにやら騒がしい声が近づいてくる

「こ、こらデボラ!邪魔するでない!」

「うっさいわね!アタシはこの小魚男が気に入ったのよ!」

金持ちの親子が大声で口論している

アベルは呆然としていた








「すまないね、さて、花嫁を選んでもらおうかね。君が好きだと思う人の前に立ち、君の気持ちを伝えなさい」

「はい」

アベルはフローラの前に立った






フローラは困惑していた

「アベルさん....そんな!私などより..」

「フローラさん、僕は貴女に謝らなければならないのです」

アベルはそう言って、フローラに頭を下げた

「アベルさん....」






「僕は貴女と結婚するために2つのリングを手に入れました。貴女と結婚して天空の盾を手に入れるために」

その言葉に、その場の誰もが鳥肌をたたせていた

「僕はアンディさんとは比べ物にならないほど卑怯な男です....」

「そ、そんな。やめてくれアベルさん。僕は....僕なんか....」

アンディは言葉が出なくなっていた







「フローラさん、貴女は僕がアンディさんを町まで運んだ後、アンディを必死に看病してくれたそうですね」

「え?ええ」

フローラとアンディは顔を赤くした

「貴女は自分の本当の気持ちに気付いていない。貴女は本当はアンディさんのことがお好きなのではないですか?」

「....」

フローラは黙っていた









「それに....」

アベルはビアンカの前に移動した

「僕はビアンカ....君のことが好きだ。子供の頃からずっと....だから、僕と結婚してくれますか?」

アベルはビアンカの手を取って言った

「アベル....ええ、結婚しましょう?私と幸せを築いて行きましょう?」








「さて、これで本当に良いのだな?」

「はい」

「ふん」

不機嫌なデボラを背景に、アベルとビアンカとルドマンは結婚話しを進めていた

「よし、式はわしに任せなさい。天空の盾も君に差し上げよう」

「い、いや....」

アベルは申し訳なく思えて、遠慮した

「なに、どちらにしろわしは君が気に入ったのだ。どうか我が家宝を君のお母様を救いだすために役立ててほしい」

さすがに断りきれなくなったのか、アベルは天空の盾を受け取ることにした

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あきゅろす。
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