風の放浪者&Memoir
其の3

レスタ:
 何故、主は我の心を理解してくれないのだ。

シルリア:
 それは、煩いからよ。

レスタ:
 そ、そうか?

シルリア:
 ええ、とても。

レスタ:
 我は、心配なのだ。

シルリア:
 そこがいけないのよ。

レスタ:
 何?

シルリア:
 ひとつの場所に止まっていることは、とても疲れることよ。時には、自由な旅も必要となるわ。

レスタ:
 必要なことは、わかっている。だが、最近は数が多い。

シルリア:
 本当に、過保護ね。

レスタ:
 主の身に何かがあったら――

シルリア:
 それは、止めて頂けるかしら。

レスタ:
 いいではないか。

シルリア:
 マスターが怒るわよ。

レスタ:
 う、うむ。それは、困る。

シルリア:
 悪いことをなさっているわけではなのだから、暖かく見守りましょう。

レスタ:
 労働をなさっているようだ。

シルリア:
 それは、本当かしら?

レスタ:
 そう、仰っておられた。

シルリア:
 確かにそれは、心配ね。

レスタ:
 暫くしたら、見に行かなければ。

シルリア:
 その時は、私も行くわ。何だか、心配なのよね。


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