風の放浪者&Memoir
其の2
レスタ:
お聞きしたいことがあります。
ユーリッド:
何、改まって。
レスタ:
何故、旅に出るのですか?
ユーリッド:
また、唐突な。
レスタ:
少しは、一箇所に止まってほしいと思いまして。
ユーリッド:
暇だから。
レスタ:
暇ですか。
ユーリッド:
暇だね。だから、遊びに行く。
レスタ:
我等は、心配です。
ユーリッド:
それ、レスタだけ。他の者達は、そのような反応は見せていない。
レスタ:
では、もうひとつ質問が。旅には、何かと金がかかると聞きます。どのように、手に入れているのですか?
ユーリッド:
働いて稼いでいる。
レスタ:
今、何と?
ユーリッド:
だから、働いて稼いでいる。日雇い労働って、意外に稼げるよ。
レスタ:
お止めください。
ユーリッド:
別に、迷惑をかけていない。
レスタ:
主は、この世界の創造主です。
ユーリッド:
それ、大丈夫。創造主は、姉さんと兄さんになっているから。
レスタ:
そのような問題では、ありません。
ユーリッド:
相変わらず、真面目だね。さて、また旅に出るよ。
レスタ:
お、お待ちください。
ユーリッド:
一年くらいで、帰ってくるよ。その間、よろしく。お前なら、大丈夫だ。
レスタ:
本当に我等が気持ち、わかっていられるのか。
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