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短編小説
始まり
地平線には、

『始まり』と『終わり』

があると、

私は思っている。




小山銀次は実家にいた。

縦長の自分の部屋で、ベッドで寝ながら、テレビを見ていた。

時刻は午後3時。

今日で、約三ヶ月間も引きこもり生活をした事になる。だって、やる気が起きねぇから。

えっ!?何故かって?

俺、大学中退したから休憩してんの・・・。

大学は、面白くねぇし、あんな馬鹿みたいな所にいられるかっての!

まあ、本当の事言うとさー、中退を理由にして逃げてたんだけど。笑

実家でずっと、何の不安も無く、ぬくぬくとパラサイト生活をしたいだけなんだ。

ゲームに漫画、テレビに映画、音楽、なんだってある。

時間も膨大にある。

でもさー、最近の俺は、どうかしてんのかなー?

こんなに、楽チンなのに、全然、楽しく無いんだよ・・・・。

毎日が、哀しくて、息苦しくて・・・もう嫌!って思う様になった。

ちょっと飽きてきたから、久しぶりに、
外の空気でも吸うか〜。

今見ていた、再放送中のドラマを、しっかりと録画モードにしてから、
小山銀次はベッドからはいでた。

大きな欠伸を二回して、

机の上にほったらかしにされていたニット帽を被った。

今、俺が着ているスエットは・・・アリだろ?・・・。

まあいいさ、外に出るのは少しの時間だけだし誰にも会わないさ。

仮に会ったとしてもニット帽を深く被れば誰か分からないからな。

小山銀次は自分の部屋の戸を開ける音を家族に気付かれない様に注意して、

忍者の如く忍び足で階段を降りて素早く玄関を開け外に出た。




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あきゅろす。
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