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▼旧774:宇野さんからお礼ss(安平)



今宵散りゆく牡丹の花と






 どうしてそうなったかというと、酔っ払っていたからとしか言い様がない。
馴染みのバーで横に座る平山に酔った勢いで「意外と綺麗な顔してるな」と言ったら、「昔からよく言われてました」なんて生意気な面して言いやがるから腹いせにキスしてやった。今となると店主が席を外した隙にキスした自分もどうかと思うが、なにぶん酔っていたから仕方がない。俺にはたぶん、全くというほど非がないのだ。
 丸く削られた氷の入ったロックグラスにターキーが注がれる。ワイルドターキーの8年物。俺のような安給料の刑事にしては8年だって充分過ぎる上等なアルコール。
あの日も俺はターキーをちびちびと飲んでいた。
『ねぇ、安岡さん。俺を抱けますか?』
キスした後のタクシーの車内で、平山は突然そんなことを言った。『今度組長に誘われたんですが、自分には男との経験がないので幾分自信がないんです。安岡さん、男は抱けますか?』
組長の機嫌を害させるわけにはいかない。平山がうまくやれば、相棒の俺も安泰、麻雀の取り分以外にも俺には金が入るだろう。なにより今の俺は酔っている。好都合だ。
金のためなら何だってしてやれる。
 平山の身体は美しかった。今まで多くの女を見て来たが、これ程までに美しい身体をした女はいなかった。雪のように白く滑らかで、しなやかな肉体に生唾を飲み込むまでに興奮した。
俺の汚く狭い部屋にその身体は全く交わらず、馴染まない。
『ぅう…ああ…』
『ッ、うあっ…』
『あああ、ク…ッ』
平山の押し殺すような声だけが記憶の中で鮮明で、他は最初から最後まで曖昧だった。酒のせいでガンガンと頭痛が酷く、意識は朦朧としていたのだ。
平山幸雄の唸るような喘ぎを思い出しながらグラスを空けた。妙な気分だった。
「しっかりやれよ…」
組長の待つ部屋の前で背中を押してやる。
俺が用意した安いスーツがきっと平山の躰を一層引き立てるだろう。
「はい、安岡さん。」
平山は普段通りに落ち着いていた。生意気に笑うあいつのサングラス越しの眼がどんな眼をしていたかなんて、俺には分かる筈もない。
牡丹の花が落ちる音を、聞いた気がした。










ハゲ萌えた…
安平好きな私には堪らない…!快く掲載許可も頂いていたのでもう自慢しまくります!幸雄の健気さが端々に見え隠れする所がもう上手い…巧すぎる…!!
安岡サニがまた…ズルい大人って感じがよく出ててあああもうバグりそううう(^q^)
うのさんありがとうございますです!あとしつこいですが復帰おめでとうございます!
stkしてますよ〜o(^O^)o


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あきゅろす。
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