▼ぬるり:松本さんからハピバss(森銀)
あいつはどうせ来ない。
平井銀二は雨空を仰ぎながら、そう考えていた。
想っている人物ほど、思っている時に現れないのだ。
仕事先で降り始めた雨は、一向に止む気配を見せない。それどころか、どんどん勢いが増している気がする。
取引相手がタクシーを手配すると言ってきたが、一縷の望みに賭けて、断った。
こんなことなら、朝の天気予報に従い、傘を持ってくるべきだった。
過ぎたことを悔いても仕方ないが、悔いてしまう。
(大体あいつ…免許持ってねぇんだから、巽が来るだろうな…こんな土砂降りの中、歩いてくるほどアホじゃねぇだろ)
溜め息を漏らし、背後の壁に背を預ける。
地面を穿つ水音は耳に小気味好い。目を伏せ、爪先で踊る雨粒を見ながら聞き入っていると、何か違う音が混じり始めた。
これは、人の足音だ。
次第に近づいてくるそれの正体を確かめようと、顔を上げる。
煙る視界の中で、確かに見つける。顔は傘で隠れているから見えないが、派手な色のスーツ姿が歩いてくる。
(……バカ)
平井は悟られないよう薄く笑う。
小さく持ち上げた口角が元に戻ったと同時に、迎えに来た森田が目の前に立った。
「迎えに来ました、銀さん」
「この雨の中、わざわざ歩いてきたのか?巽を寄越せばよかったのに」
「雨だったら、銀さんと話しながらゆっくり帰れるから、わざわざ歩いてきたんですよ」
「ククク…とんだ物好きだ」
森田が小さく笑い、平井に帰ろうと促す。
軒下から出ようとしたところで、平井は気づいた。「お前、俺の傘はどうした」
森田は今差している傘しか持っていないのだ。これでは迎えに来てもらっても、どちらかが濡れることになる。
「どうせ迎えに行くなら相合傘で帰ってこいって巽さんが。…言われる前からそうしようと思ってたんですけどね」
「………フフフ、たまには肩濡らして帰るのもいいな」
「大丈夫、俺が雨から銀さん守ります」
森田が傘を傾け、平井を軒下から迎え入れる。
並んで歩き出しながら、「じゃあもう一本持ってこいよ」と笑う平井の心中は、まるで虹がかかったように晴れやかだ。
END
まっつん大好きだ!!
3/9の0:00ぴったしに贈ってもらっちまったんだぜ…?
松本さんテラ男前ヤバス。
森田もテラ男前ヤバス。
森田にときめく銀サニテラ乙女ヤバス。
私のっ…!ハート泥棒さんっ…!←
羨ましい?羨ましいでしょ??でもあたしのものなんだからね!(氏ねよ
松本さん素敵な誕生日プレゼンツありがとう!らぶ!
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