Starry☆Sky
第二話
*
「さて、と。もうそろそろ帰ろうか」
「そうだな」
『…………………………』
「智佳、何か来てるけど。」
羊に言われる前から気付いてはいたのだ。
ただ、気付いたら負けのような気がした。
そうなのだ、世の中には気付いてはいけないこともある。
例えば、試験で結構出来たつもりがクラスで実は最下位だった時や、友達が自分のことを悪く言ってるのを聞いてしまった時…
または、今ちょうど自分の後ろに立った変な前髪の男のこととか。
「さ・く・ら・ぎーーー……」
静かに怒気を垣間見せる。怒気がチラリズム?
……いや、確実に堂々と見せてくる生徒会長。
これはもう逃げられないかもしれない。
自分の運動神経ならば逃げることもできるかもしれないが、逃げ続けるのも楽ではないのだ。
そこら辺を是非分かってもらいたい。
などと、言い訳じみたことを考えていると首根っこを掴まれた。
「それじゃ、先に行ってるからね、智佳。」
『お母さああああああああああん、子供が悪い人に連れて行かれちゃうよおおおおお』
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!