自慰A



















「お前って手だけは綺麗だよな」

「……………は?」





先日のテストで赤点を取り、追試を明日に控えたダチの勉強を見てやっていたら、
突然ワケの分からないことを言われた。




「何………?」

「だから手だけはいいって言ったんだよ」

「手だけって、お前………」



そりゃ、確かに男にしてみたら指とか節ばってなくて細長いかもしれないけど、
そんな改まって言われても………



「よく見せてみろよ」

「何?手フェチ?」

「いや…………けどよ、お前が教科書指差すの見てたら………」

「ちょ、おいッ!?」



俺の手を取り、まじまじと見ながらコイツは不審な動きをした。



「仕方ねぇだろ………勃っちまったら集中なんて出来るかっての」

「だからって、お前」

「そそられたんだ………暫く付き合え」



何で俺の手を見て勃起してんのか意味分かんねぇ。

っつうか、教室でいきなりオナニー始めんなよ!




「─────ッ!!」

「ハァ…………」



あろうことか、コイツは俺の指を舐めてきた。



「て、めぇ………」

「すぐに済む………」



そう言いながら早まる手の動き

高まった性欲から洩れる吐息

熱く、柔らかい舌が俺の指を這う



くちゅ、と水音が響いたが、それは口元からか
それとも…………




「なぁ………」

「えっ!?」



目の前でオナニーをする友人に呆れながらも、
恍惚とした表情で俺の指を舐める姿を凝視していた俺は

呼ばれて心臓がびくりと跳ね上がった。




「俺の握れよ」

「………は、あ!?」



ドキドキと高鳴った心臓は一瞬で平静を取り戻した。



「お前の手でシコれば余計興奮すんじゃねぇか?」

「何で俺がお前のちんこを握んなきゃなんねぇのさ!」



指を舐めさせて好きにさせてやってるっていうのに、これ以上何を与えろと言うのだ。



「じゃあ、お前がオナるとこ見せろよ」

「ば、っかじゃねぇ!何で俺が────」





ガタン─────ッ




悪態をつこうとしたと同時に
コイツは教科書の乗った俺達の間にある机を蹴飛ばし、
俺の手を強い力で引っ張った。




「何だ………お前だって勃ってんじゃん?」

「ッ──────!!」



引っ張られて、奴の前に立たされた俺の股間は言い逃れの出来ない膨らみを見せていた。



「こ、れは………」

「オナれよ」

「じょ、冗談じゃねぇよ!」

「じゃあ俺の扱けよ」

「はぁ?手が腐るだろう!」

「ガタガタうるせぇな………さっさとどっちかに決めろよ」



なんて我儘で自分勝手なんだろうか。
まぁ、今更気付いたわけではないから、この年中勃起男が引くわけもないことも知っている。

厄介だ…………




「………教室でお前に見せながらオナニーって、俺は変態じゃないんだけど?」

「そのまんまで帰るよりはマシじゃねぇの?」

「…………チッ………」



ニヤリと笑うコイツに、何か負けたような悔しさが湧いたが、

何の理由で勃起したのか分からないコレは、正常に戻るまで時間が掛かりそうなので



「………お前と同じ変態かぁ」

「一緒にすんな」

「こっちのセリフだって!」



諦めて俺はチャックに手をかけた。



「何だ………お前、もう出ちまうくらいにギンギンじゃねぇか」

「中坊じゃあるまいし、んな簡単に出るかよ」



下着をズラして掴み出したソレは、確かに完勃ちだ。



「お前こそ、先っぽヌルヌルじゃん」

「あぁ、早くイキてぇからシコって見せろよ………」

「………どんだけ変態なんだよ」





俺の前に座って、俺の手をネタにオナる悪友。

そいつの前に立ち、オナる俺。

何なんだ。この絵面………



「やっぱ……お前の手イイな」

「基準が分かんねぇ」

「無駄にエロい………」

「意味分かんねぇ………」




一体俺は何に興奮したのか


男に欲情されて、男のオナニー見たから?

そんなわけはない。



そんなわけないが、理由は分からない。

分からないが、仕方ないんだ。


男なんだから、勃ったらどうしようもない。

コイツの言うことはもっともだ。

もっともだけど………


だけど、だけど




「ハァ…………」




立ちながらオナニーなんて、誰か来たら丸見えで何も言い訳出来ない………


そんなこと思っても出すまで止められない。


男の性は単純で煩悩の塊だ。

頭は理性的なことを考えていても身体は本能に従うのみ。



「ん………ぁ………」



俺もコイツも限界は近い。
我慢汁が指を濡らし、扱く度にくちゅくちゅと音を立てた。




「やべ………舐めてぇ………」

「ッ─────!?」




口が半開きで舌先が見え、奴が呻くように洩らした言葉。

どこを…………!?

な、にを!?




ドクン─────





「は、アッ─────………」



強い高まりに身体がぶるりと震え、俺はぎゅっと目を瞑った。





「うぉ!」

「ッ!?」



驚きに目を開けると、


咄嗟に手でガードしたようだが顔には精液…………



「テメェ………顔にブッかけるったぁいい度胸してんな」

「わ、悪い!お前が急に変なこと言うから」

「手がエロくて舐めてぇと思ったんだよ」

「あ、そっち?」

「はぁ!?誰がテメェのちんこなんて舐めてぇと思うかよ!」

「ははは、悪い!」



あまりにバツが悪くて俺は射精を終えたモノをしまおうとしたが、



「痛い痛い痛い痛いッ」



強い力で俺は腕を捕まれた。



「顔射してくれた礼は払えよ?」

「あはは…………」



寸止めを食らい、尚且つ顔射という屈辱的な行為。

間違いなくキレている悪友に、俺は血の気が一気に引いていった──────















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自慰祭第2弾
一応元親VS佐助だけど、またしてま名前が出ていないので、誰を思い浮べてもオッケ〜

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あきゅろす。
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