Non Stop部屋
5










「すっげぇ学校……」







佐助は連れて来られた生徒会室の窓から手入れの行き届いた中庭を眺めて感嘆の声をあげた。




「うちの学校なんかとは大違いだよなぁ〜」

「まぁ私立だしな……」

「こんな立派で大きな学校の副会長なんてスゴイね」

「別に……」



政宗も窓辺に近づいたが視線は逸らしたままだった。



「みんなきちんと制服来てるし、すげぇ〜……」

「なぁ……」

「ん?」

「……………どうして」

「ぁ………」





目を合わせないままの政宗に、テンションが上がりっぱなしの佐助は我に返った。





「急に訪ねたりしてゴメン………困らせちゃったね」

「……いや………どうしてここへ?」

「ん〜……昨日、バタバタで帰しちゃったから……悪かったなぁっていうか……」




佐助は照れ臭そうに話し続けた。





「せっかく何かの縁で会えたんだから、あのままで終わりってのは………」

「俺も………ッ」

「え────」






二人の視線はぶつかった。





「俺も終わりにしたくなかったから……また校門で待ってようと思ってた……」

「ホント……?」




必死に訴えかけている瞳に鼓動が早くなる。






「何か………アンタのことが頭から離れなくて………」

「えっ………」






ドクンッ────





「こんなこと……男に言うことじゃないけど………」



頬を赤らめる政宗に、佐助は緊張で生唾を飲み込んだ。





「会いたかった………」

「ッ───!!」





少し上目遣いの照れた姿を見て、佐助は体温が一気に上昇した。





「ぁ……のさ…………」



佐助は緊張で声が上手く出なかった。





「………勘違いだったらゴメン……」

「………」

「………キスしてもいい?」

「ッ」




佐助の言葉に政宗は目を見開いて俯いてしまった。




「ダメだ………人が………」

「ゴメ………ぇ……?」






拒む理由は人目………





シャッ────





瞬時に理解した佐助はカーテンを引いた。





「これで誰も見えないよ………」

「………あっ」




政宗の頬に手を添えて顔を上げさせると、

熱に浮かされたようなうっとりとした表情をしていた。



「………」

「ンッ………」




佐助は返答を待たずに首を傾けて唇を重ねた。













───ファーストキスってどんな味?





そんなアホみたい言葉が頭を過った。




だけど………



初めてなんじゃないかな?


背中がゾクゾクするほど興奮したり

目の前の子を愛しいと思ったり………



甘くて溶けそうだ……



あぁ………



俺はこの子が好きなんだ






こうして出会えたことは、奇跡でも偶然でもない。




必然だったんだ………

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