Non Stop部屋
(政→佐A)佐政祭
















こんなに待ち遠しいなんて…………






本当に来るのか確証はないというのに、
俺は新聞をちゃんと紐で縛り、
身仕度を整えていた。




前回はジャージに寝癖。


とんだみっともねぇ姿を晒しちまった。




気に入った奴の前ではイイトコを見せたいってもんだろ?





「………堕ちねぇかな………」




俺にしては珍しく弱気だ。




俺はいつだって、ノンケだろうと何だろうと、気に入った奴は口説く。


その気がなくたって、野郎なんて勃たせちまえば簡単なもんだ。



「ゲイなんて………」って言ってる奴に限って一度ヤラせたらハマるもんだしな。



………とは言っても百発百中ではない。


今度ばかりは確実に仕留めたい………




「情けねぇ…………」





臆病になってる自分に苦笑い。






「ッ…………!」




微かに聞こえた拡声器の音。



早くお前の声を聞きてぇ………!!







待ちわびているが、



…………客が多いのか、なかなか来ないし音も消されがち。




まぁ、楽しみは待てないわけではないから、近付いてくるのをひたすら待った。







『毎度〜お馴染み…………』




家のすぐそこまで来ている。


窓から覗くと、オバサン達に囲まれたオレンジ頭が見えた。




「Shit…………」




あの声であの見た目だ。


女が放っておくはずがねぇ………



会話の内容までは聞こえないが、笑い声もSexyだ………



俺は目を閉じて、声に酔いしれた。


本当にイイ声だ………







「またよろしくお願いしま〜す」

「ッ!?」




軽やかな声がしたので俺は慌てて窓を開けた。




「Yo!」

「ん?………あぁ……毎度〜」

「すぐ行く!」




車に乗り込もうとしている所を、呼び止めて俺は新聞を抱えた。




「………悪い……待たせた」

「いえいえ♪いつもありがとう」



営業スマイルなんだろうが、自分に向けられる笑顔は恥ずかしいが、心地好い………




「ありがとう」

「あぁ…………」




トイレットペーパーをまた1つ受け取る。



「今日は起きてた?」

「ッ………別にいつも寝てるわけじゃねぇよ」

「何となく昼は弱そうに見えたから」

「まぁ……強くはねぇな」

「ははは………こないだの寝癖可愛かったよ」

「あれはッ………」

「またよろしくね〜」





からかわれた…………!



俺は羞恥のあまり、何も言い返せずに、ただ男の背中を見送った。




俺が踵を返すと同時に、拡声器のスイッチがONになる。





『毎度〜お馴染み…………』




悔しいが、やっぱり………この声は好きだ………



可愛いなんて言われたら、その気があるんじゃないかって期待してしまう。



それなのに、口説くことすら出来ねぇなんて…………


情けねぇ。




トイレットペーパーを1つ握り締めて、また次を待ってしまう俺は、



本当に情けねぇ…………
















×××××××××××××××

壱伍今様Presents
サスダテ祭!


序章が長い(汗)
本題になかなか到達しません。

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