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Baby Cry!(*佐政祭)

















佐助が学校を休んだ。



まぁ、別に奴がいなくたって大して日常に変わりはない。



学年が違うのに朝・昼・放課後・授業の合間…………


授業中以外ほとんど顔見せに来て鬱陶しいくらいだからな。


居ねぇくらいが丁度いい。




ただ…………


何でメールも何も寄越さねぇんだよ!





「よぉ〜政宗………佐助がいなくて泣いてねぇか?」

「Ah〜?寝言は寝て言えよ」



冷やかしに来た馬鹿チカなんて相手してられっか。



「何イラついてんだ?生理かよ」

「テメー………その面見れなくしてやろうか?」



俺はポケットから手を出した。




「………佐助が黙って休んだのが気に入らねぇんだろ?」

「…………」

「クックック………ガキは素直で可愛いな」

「ッ!!」




カッとなり、元親の胸倉を掴んだ。


図星をつかれたのを認めた行動になっちまったから、余計に元親はニヤニヤと笑いやがった。





「殴るか?…………泣き虫坊や」

「上等だ………ッ!!」




怒りで背中が騒ついた。




「伊達………」

「──────!?」




名前を呼ばれたと思ったら、目の前の大男が視界から消えた。




「ぐわっ!」




轟音と呻き声がして元親が床に倒れたのだと気付いた時には、既に横に元就が立っていた。



「伊達よ…………貴様がこんな下衆のために拳を汚すことはない」

「ぁ………おぉ…………」



相変わらず強ぇ………。



背後から近づかれたのも、合気道の技を出したのにも気付かなかった。




「いってぇ…………容赦ねぇな………元就」

「………去れ…………学年の違う貴様が来る場所ではない」

「いいじゃねぇかよ………佐助が無断欠席なんて珍しいから野次馬だよ」




あれだけ見事に倒されたのにダメージはなさそうだ。

無駄に丈夫だよな。




「まぁ…………一理あるな」

「は?」




元就は少し考えてから俺の方を向いた。




「あの喧しい派手な頭が見えないと、気丈なお前が消沈していて愉快だ」

「ッ!!」

「だろ〜?政宗にも可愛いとこがあったんだぜ」

「フフ………」

「て………テメー等ッ!!」




流石は幼なじみ。


二人共性格が悪い!









「Shitッ!!」




俺はあまりに居心地が悪く、学校を抜けて来てしまった。



逃げたんじゃねぇ………

あの馬鹿を締め上げるためだ。



………ったく………何であの馬鹿のせいで俺が恥かかなきゃなんねぇんだよ!




イライラしながら奴のアパートに着くと、鍵が空いている。



何してんだよ…………



一瞬、連絡出来ないくらい具合悪くて倒れてる?なんて嫌な事が脳裏を過った。





「おい………佐助─────ッ!?」

「ぁ…………………」




ドアを開けて俺は絶句した。




そこには赤ん坊を抱える佐助の姿…………






「………テメェッ………!!」

「ちょ、待っ、伊達ちゃん!俺の子じゃないからっ!!」




は…………?





「お………落ち着いて………きっと動転してると思うけど待ってね………」



奴は赤ん坊を守るようにしながら、俺の拳を片手で制止させた。




「お前の子供じゃなきゃ……誰のだよ………」

「えぇ〜……っと………大将の………隠し子………?」





説明を聞くと、朝突然あのオッサンが赤ん坊を押し付けて行ったとのこと。

何だよそれ…………




「ごめんね………俺も突然過ぎてミルクやオムツ買ったりしてバタバタしててさ」

「あぁ…………」

「連絡出来なくてごめんね………心配させちゃったね」

「別に心配は………」

「ん?おねむの時間かなぁ〜」




コイツは…………



俺が話しているのに赤ん坊をあやすことに気を取られている。




「よしよし…………」







あんな顔…………


赤ん坊に嫉妬とした自分に腹が立つ。




「帰る………」

「あ、待って!もうすぐ寝ちゃうから、お願い」

「…………」



引き止められて残ってしまった。


けれど、まだあの無防備な柔らかい微笑みが向けられたまま。

あんな顔、俺は知らねぇ………







「………伊達ちゃん………ごめんね………お待たせ」

「別に………」

「赤ちゃんって、ホント寝顔が可愛いの」

「ふぅ………ん………ンッ!?」




急に抱き締められてしまった。





「伊達ちゃんのがもっと可愛いけどね………」

「何だよ………」

「心配掛けちゃってごめんね………」

「してねぇ………」

「………俺の子だと思ったでしょ?」




佐助はひょいっと軽々しく俺を抱き上げてベッドへと連れて行く。




「俺は伊達ちゃんとしかセックスしてないから………」

「…………」

「してもいい?」

「…………勝手にしろ」




キスをされ、佐助は俺の服を脱がし始める。



「アッ…………」



まだ半勃ちのものを口で弄ばれ、後ろには唾液で濡れた指が入ってきた。




「ん………佐助ッ」



性急なのは嫌じゃねぇ………



「政宗…………」




何度も身体を重ねているから、すぐに後ろは解かされてしまう。




「アッ…………佐助………」

「なぁに?」



身体が熱い……………




「…………俺だけを………見てろ………」




何てみっともねぇ独占欲。

赤ん坊に嫉妬して、お前の視線を俺だけのものにしたいなんて………

我ながら情けなくて、赤くなる顔を腕で隠した。




「うん………政宗だけ見てるから………もっと見せて」

「アッ!?」



指が2本に増やされ、動きも速くなり、クチュクチュと音が響く。


気持ち……イ………ィ……





「………ふにゃぁぁあ〜」

「あれ!?起きちゃった?」

「なっ………!?」




生殺しかよッ!!



信じられねぇ………
言った先からよそ見するなんて!



俺は射精寸前で放られて涙が出そうだった。




「ぎゃぁぁあ」

「あ〜よしよし。怖い夢見たのかな〜?」



うるせぇ………畜生………


佐助は泣き喚く赤ん坊をあやしながら近づいてきた。


「ほら伊達ちゃん抱っこして」

「はぁ!?」

「ほら、こうやって背中ぽんぽんしてね」




ちょっと待て。


コイツは俺を引き起こし、赤ん坊を無理矢理抱かせた。



「うわぁ〜………倒錯的」

「佐助ッ」

「大声出したら赤ちゃん泣き止まないでしょ〜?ちゃんと大きな赤ちゃんには俺のミルクあげるからね………」

「やっ………馬鹿野郎ッ!!」




忘れていた………



コイツは変態だ。




俺は力任せに佐助の上に座らされ、赤ん坊を抱えたままなのに挿入されてしまった。



「ン、あッ!!テメェ最低だ!」

「俺は最高だよ………ほら………赤ちゃんって感情に敏感なんだから、いつまでも怒らないの♪」

「ブッ殺す………」

「善過ぎて死んじゃいそ〜」

「アッ!佐助ッ動くな!」



最悪だ…………


最悪だけど…………


変態のコイツが硬くなってて、座位だと深いトコまで入るから………


悔しいが、イィ…………





「や、ぁンッ!」

「よしよし………泣き止んだね………政宗あやすの上手だよ………」

「馬鹿ッ………アッ、んアァッ」

「赤ちゃん欲しいから中出ししていい?」

「中は、やだっ!」

「ダメ………ミルク全部飲んで!」

「あぁっ………佐助ッ、太ッ………ん、そこ、アッ!」

「ほら………イッて………俺もッ」

「あ、アァ………ンッ!!」






俺と佐助はほぼ同時に果てた………

赤ん坊を抱えたままのセックス。




勿論、俺は変態をぶん殴った。






「ねぇ………そんな格好で俺のこと誘ってるの?」

「…………」



佐助は赤ん坊を寝かしつけてから、まだ裸でベッドに寝転ぶ俺に被さってきた。



「後でちゃんとお尻きれいきれいにしてあげるから、もう一回俺のミルク全部飲んで?」



赤ちゃんプレイに興奮する変態を、俺はもう一発ぶん殴った…………















×××××××××××××××
壱伍今様Presentsサスダテ祭★


馬鹿で変態!!

佐助の母親像って容易に想像出来る

って一言から産み出した話。

ただ単に、赤ちゃんに慈愛の眼差しを向ける佐助が様になってて、
それに嫉妬する政宗が書きたかったの!

満足←


ちなみに、佐助は普段は「伊達ちゃん」呼び。
スイッチが切り替わると「政宗」

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