進め!巨人殺し
年頃なので(ライジャン)R18
※訓練時代前半頃





「ぅ・・・・ん・・・・・」


何か良い夢を見たような、
夢うつつのせいなのか、
溜め息をつきたくなる快さを感じながらジャンは目蓋を持ち上げた。

間もなく起床時間なのだろう。
部屋の中がぼんやりと明るさを取り入れている。
また訓練の1日が始まるのだ。

ジャンは過酷な日中を考えると、皆が起き出すまでもう一眠りしようと寝返りをうつ。


「ッ!!??」
咄嗟に声が出そうになったので、慌てて口元を抑える。
驚きで鼓動が速い。
下腹部に感じた違和感。


とろりとした冷たいものが肌を伝う感触・・・・


恐る恐る寝具を捲り、自分の下着をずらしてみると
「は・・・・?」

白っぽい液体が垂れている。

(な、んだ・・・これはよぉ!?)
ジャンは下着の中を覗き込んだまま固まった。
何故こんな液体がここに?
ズボンの表面は何ともない。
ということは、体内から排出されたものなのか?

(俺は何かの病気なのか・・・!?)
ジャンは身体の異変に青ざめながら、誰も起こさないようにそっと寝室を出て行き下着を洗った。

その間、脳内では色々なことが駆け巡る。

もしも病気なのだとしたら、憲兵団に入るという夢は叶わないのかもしれない。
けれど、黙っていて周りに感染させて大事になったらどうすればいいのか。

それとも、恐らく性器から排出されたであろう液体なので小便の一種か。

「ははは・・・・そうか、俺はこの歳になって寝小便をしたのか」
ジャンは無理矢理結論を出したが、そんなものは気休めにもならないことは十分理解している。
けれど、何か理由を作って縋りたかった。


しかし、

そんな心の動揺は簡単には隠せず、あまりにも愚かな醜態を晒した。


「ジャン・キルシュタイン!!お前は今日何回死んだのだ!?やる気がないのならさっさと立ち去れ!!」
「すみません!!続けますッ!!!」

教官からの怒声を浴び、ジャンは己の不甲斐なさを唇が切れるほど恨んだ。






──────────



「エレン、今日は調子良かったね」
「俺はいつもこんなもんだろ?」
食堂での閑話。
アルミンに褒められてエレンは得意気な顔をした。


「まぁ・・・・今日はやる気のない奴がいたからそう見えたんじゃないのか?」
エレンはジャンの方へと視線を流して鼻で笑う。

「訓練だからってナメ過ぎだよな?みんなの志気に関わるし、たまんねーよ」
「エレン・・・」
良き(?)ライバルであるジャンの様子がおかしいのをいいことに、エレンは挑発するのでアルミンは止めようとした。

「・・・・俺の調子が悪いからって、自分が上達したと勘違いするなんて脳天気は気楽でいいよな」
「何だと・・・」
「人の気も知らねぇ奴が浮かれるな」
ジャンは落ち込んでいたけれど、売られた喧嘩を無視出来るほど大人ではない。

「人の気ってなんだよ?ホームシックか?それとも巨人が怖くて逃げ出したいのか?」
「テメッ!!」
「やんのかよ!!」
ジャンもエレンも椅子から立ち上がり、互いの間合いを詰めた。

「ッ・・・・・」
「あ?」
ジャンはエレンの胸倉を掴もうとしたが、腕を下ろして顔を背けた。

「相手してらんねぇよ・・・」
「・・・・え・・・?」
踵を返し立ち去る苦しそうなジャンの横顔にエレンは呆然としてしまった。

ジャンは怖くなったのだ。
病気かもしれないのだから、あまり近くにいて感染してしまうのではないかと・・・・


「は・・・・?」
言葉を失っていたのはエレンだけではない。
ジャンとエレンの言い争いからの取っ組み合いは日常茶飯事だったので、それが中断されたことに周囲も少なからず動揺していた。

「俺が見てくる」
「ライナー・・・・」
エレンの肩に置かれた大きな手。
同期の中でも兄貴分のライナーに声を掛けられ、エレンはホッとした。
それにより緊迫していた空気が幾分緩やかになった。



「さて、どこ行きやがった?」
ライナーは食堂を出て溜め息を零す。
寮へ戻ったのか、それとも人が来ない所へ行ったのか。
ライナーはジャンの行動を予測する。

「・・・・やっぱりな・・・」
くすりと笑みが零れてしまった。

ジャンは、口も態度も悪くて子供じみた部分が大きいが、根は『真面目で良い子』なのだ。

ライナーが歩みを進めたのは、食堂の建物裏手だった。
中の音が僅かに漏れるので、もしも何かイレギュラーなことがあっても対応出来るし、完全な隔離ではないので仲間外れにもならず、寮に戻るタイミングも計りやすい。
ジャンらしい身の潜め場所だった。



「お前が敵前逃亡なんて珍しいな」
「・・・・ライナー・・・」
壁を背にして膝を抱え、顔を埋めていたジャンは一瞬身体をビクつかせたが相手がライナーであると確認して安堵の表情を見せた。

「何かあったか?」
「・・・・」
ライナーが隣りに腰を下ろすと、ジャンは距離を取ろうと腰を浮かせた。

「ジャン・・・」
「ッ・・・・何でも・・ねぇよ・・・」
顔を伏せたままジャンは肩に置かれたライナーの手を払う。

「ないわけないだろ?」
「・・・・」
「話してみろよ」
落ち着いたライナーの声に、ジャンはこの不安から抜け出せるのでは、という希望を感じた。


「俺・・・・」
「あぁ」
「・・・・病気なのかもしれねぇ」
「ッ!?」
重々しく告げられた言葉にライナーも息を飲む。

「朝起きたら・・・・白いどろっとした変なものが身体から出てて」
「は・・・・?」
「膿だったりしたら、俺・・・」
ジャンはぎゅうっと自分の服を握った。

「・・・・それは股間か?」
「あぁ・・・・」
「・・・・・・ブフッ」
「はぁ!?」
ライナーが突然吹き出したのでジャンは不安が一気に飛ぶほど怒りを覚えた。

「な、何だよお前!!人の悩みを笑う奴がどこにあんだよ!!」
「わ・・悪い・・・」
「クソッ」
ライナーは肩を震わせたままなので、ジャンは悔しくて立ち上がろうとした。

「まぁ、待てって」
「離せよッ」
掴まれた手を振り払おうとしたが、びくともしない。
男として腕力の違いを見せつけられて一層悔しくて鼻の奥がツーンと痛んだ。


「そりゃ夢精だよ」
「は・・・・お前、知ってるのか?」
涙目になってしまったジャンは、目を見開きライナーと向き合った。

「逆に知らなかったことに笑っちまって悪かったな」
「で、で、むせいって何だ?病気じゃないのか?」
「年頃の男なら誰でも体験してるだろうし、別段変なことでもねぇよ」
「お前もか?」
「疲れて寝ちまう日が続けば、そりゃなぁ」
ジャンは不安が強かった反動で好奇心へと変わった。

「疲れると出てくるもんなのか?」
「いや、定期的にヌイてれば夢精なんてしねぇよ」
「抜く・・・・?」
「・・・・お前、本気か・・・?」
ライナーの表情が曇る。


「まさか、オナニーを知らないと言うのか?」
「え・・・・」
「・・・・そうか」
ジャンの目が泳いだのでライナーは理解した。

「おめでとうジャン、これでお前も大人の男の仲間入りだ」
「は!?何?どういうことだ?」
「これで子供が作れるぜ?」
「子供?え?意味が分かんねー??」
思春期をこの閉鎖的な環境で過ごさなければならないのだから、誰かが教えることとなる。
面倒見の良いライナーは無垢なジャンに性教育を始めた。



「・・・・大体こんなもんだ」
「〜〜〜〜〜ッ」
ジャンは顔を赤くさせて口元を手で覆った。

「だから、自然と溜まってくる性欲を自分で処理しないと夢精として発散するんだよ」
「そ・・・なのか・・・」
「だからお前は病気でも何でもないから安心しろ」
ライナーは俯き加減のジャンの頭をぽんぽんと撫でた。

「なぁ・・・・」
「何だ?」
「あ、のよ・・・・」
ジャンは落ち着きがなく、歯切れが悪い。
ライナーはまさか、と気付いた。


「さっきから、その・・・・ズボンの中がキツくて、こう、じっとしてらんねぇっていうか、これが・・・・あ、の」
「あぁ、勃起だ」
「ッ───────」
動揺?絶望?困惑?何という表現が合うのか迷う表情がライナーに向けられたが、ジャンはすぐに目を逸らした。

「おかしいことじゃないんだよな?」
「あぁ・・・・むしろ勃起しない事の方が病気だ」
「・・・・」
「そうなったら、大概は気持ちと共に収まるもんだがな、どうにもならなければヌケばいい」
ジャンは自分の腕をぎゅうっと握った。

「ライナー」
「ん?」
「や、・・・り方を・・・お、しえて」
「は?」
「だから!オナニーのやり方を教えてくれって言ってんだよ!擦れば出る、なんて簡単な説明じゃ分かんねーよ!!」
ジャンは恥ずかしさからキレるしかなく、声を荒げてしまった。

「それが人に物を頼む態度かよ」
「ッ」
「いいよ・・・・教えてやるから足広げろ」
冷静なツッコミにショックを受けた顔をするのでライナーはつい笑ってしまった。

(何でコイツは虐めたくなるんだろうな)
ジャンは抱えていた膝を恐る恐る開いていく。

「そんなんじゃ自分も見えないだろ?」
「う、あッ!?」
ライナーはジャンの上体を押し退け、足を開かせて股間に手を伸ばす。

「あぁ・・・ちゃんと勃ってるな」
「ッ────!!!」
ジャンがあたふたしてる間にライナーはズボンと下着をズラして性器を外気に触れさせる。

(無理もないが、毛も生え揃ってねぇし皮もカブってる・・・・また剥いてやんねぇとな)
ライナーは幼過ぎるジャンの股間を眺めた。

「ぅ・・・な、にこれ・・・」
「だから、これが勃起だって・・・・」
「アッ!!」
戸惑うジャンに構わずライナーは事を進める。

「こうやって握って、こう擦るのが一般的」
「うッ、あ、待っ、」
「自分好みでココを刺激してやればいいんだよ」
「アッ!は、んんっ!!」
ライナーが上下に擦るとジャンは身体をビクつかせる。

「ンッ、んッ!」
ジャンは初めて味わう感覚にひたすら困惑し、怖くなってライナーの腕に掴まり、もう片方の手で口を抑えた。

「いいよ・・・声出せよ」
「で、でもッ俺、変だし」
「いいから」
「あッ、ライナー、俺、アッ」
ライナーはジャンの手を退ける。


(せっかくなんだから声聞かせろよ・・・)
「ラ、イナッ」
(俺に縋る顔も見たいしな)
「何か、・・・怖ぇ、ぅアッ!なぁ、ライナー、」
(もっと呼べよ)
ジャンの目にはいっぱいの涙が浮かび、ライナーに掴まる手に力が入る。
ライナーはそんなジャンを見つめ、ぐちゅぐちゅに濡れた性器に刺激を与え続けた。


「なぁ、何か出そう・・・小便?」
「違う・・・精液が出るんだよ」
「でも、これ、」
「いいよ・・・我慢すんな」
握っているからドクドクと脈を打ち、限界間近なのは十分伝わる。

「アッ、でも、ライナー、」
「出せよ」
「ンッ!!あ、アッ───────」

頭が真っ白に、
気持ちイイ・・・・・


「ハァ、ハァ・・・・」
涙が伝う目を開けると、今朝方見た白い液体が地面に落ちている。
そして、ビクンと痙攣する性器の先端からはまだとろとろと溢れている。
こういうことなのか、と惚けた頭でもジャンは理解した。

「ライナー・・・・」
しがみついていた手も脱力していく。

「どうだ?」
「すげぇ・・・」
倒れるように壁に頭をついた。
まだ人間にはこんな感覚が残されていたのかと、ジャンは余韻に浸った。

「ハマりそう・・・・」
「俺もだ・・・・」
「え?」
「いや、何でもねぇ」
ジャンはぽわーんとしていたのでライナーの小さな呟きを聞き取ることが出来なかった。

「拭くもの持ってねぇからこのまま戻すぞ」
「あ・・・ハンカチある」
「へぇ・・・・」
ジャンの本当に真面目なところにライナーは感心した。

(いい子に育てられたんだろうな・・・だから物を知らないし、反発心が強い)
手渡されたハンカチで精液で濡れた股間と自分の手を拭いながらジャンのことを分析した。

「戻るか?」
「いや・・・・まだ気持ち良くて動けない」
「そうか」
まだジャンの表情はうっとりとしている。

「じゃあ、俺は先に戻るぞ」
「あぁ・・・・ライナー」
「ん?」
「助かったよ、ありがとう」
「フッ・・・どういたしまして」
ライナーはジャンを残して立ち上がった。



「こっちも助かったよ・・・・」
ライナーは食堂に戻らずトイレへと立ち寄り、鮮明に残るジャンの姿を思い出し、怒張した欲を吐き出した。







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12歳から兵役してたら、同期に性を教えてもらうしかないでしょう。



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あきゅろす。
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