番狂わせ
9×9(ブチ×サク)R18





「堺さん・・・・」
「い、わ・・・・ん、ぁ・・・・」



唇が、指先が、愛おしそうに身体をなぞる。


「堺さんの乳首可愛い」
「アホか・・・」
視線を下に動かせば、突起部を舌先で舐める岩淵。
堺は自然と顔が熱くなる。

「ホントに可愛い」
「うるさい・・・ッ」
カリッと甘噛みされて、吸われて、摘まれて、身体がビクリと快感に揺れた。

「堺さん、気持ちいい?」
「聞くなよ・・・」
「どうなの?」
「言わなくたって、分かん、だろ」
じっとこちらを見つめる睫毛の長いはっきりとした眼。
堺は目元の上に腕を置いて、その真っ直ぐな視線を遮った。

「言ってくれなきゃ分かんない」
「面倒臭ぇこと言うなよッ」
腹立たしい。
言葉にしなくても見れば分かるのに。
一糸纏わぬ姿なのだから、直接刺激を与えていないのに既に怒張して先端を濡らす性器。
どうしてこうなっているかなんて、わざわざ男相手に言うことではない。

堺は敏感な自分が恥ずかしくて、岩淵に怒りすら感じた。

「俺の独り善がりだったら嫌なんです」
「ッ・・・」
両手首を顔の横に抑えつけられ、もう逃げられない。

「男の生理現象なんか当てにならない・・・・俺は堺さんの気持ちが知りたいんです」
真剣な顔付き。

「少しは・・・・俺のメンツも考えろって」
「・・・・」
岩淵は言葉を飲み込んだ。

「こんな、気持ち良くて・・・・恥ずかしい」
「分かりました・・・・すみません」
堺は手を解かれホッとしたが、岩淵の伏せ目に少し心が痛んだ。

「だけど・・・・年下の気持ちも汲んでくれないとダメっすよ?」
「ちょ、い、わ」
「俺、堺さんと釣り合うか、堺さんのこと満たせるか不安で必死なんです」
「アッ!!!」
岩淵は身体を下げ、股間に顔を埋め、
温かく強烈な刺激に堺は身体が跳ねた。

「あ、ぁ・・・・」
根元まで咥えられ、強く吸われながら引き抜かれていく。
先端に軽く歯を立てられて腰が砕けそうだ。

「ン・・・・」
「は、ぁ・・・・」
岩淵の鼻から抜ける吐息が色っぽくて、堺は震えた。

「気持ちいい?」
「ッ・・・・」
また繰り返される同じ質問。
恥ずかしいと伝えたばかりなのに。
男として、年上としてのプライドを目の前のこの男は軽視するのか。

いや、違う。
そんなものにしがみつかず、素直に向き合えと言っているのか。
年下のワガママを許し、受け入れるのも務めなのか・・・・


「ん・・・・気持ちいい・・・・」

言霊とはよく言ったものだ。
口にした途端、全身を巡る快感。
一気に高まる射精感。

「あ、アッ・・・・岩淵、んぁ、気持ちいいッ」
「ん・・・・」
「気持ちいい、もっと・・・・なぁ、もっと気持ちいいことしろよ?」
一度認めてしまえば溺れていく。
止まらない喘ぎ声。
堺は呼吸を乱し、自分の指を舐めて岩淵を誘う。

「なぁ、岩淵お願い・・・・」
「堺さん」
「ア・・・・ッ!岩淵ッ!俺を、もっと、もっとダメにして─────────────












─────────────ッ!!!!!」
バチッと目を見開く。



「ハァッ、ハァ・・・・」
荒い呼吸で酸素を取り入れながら、目だけを動かし周囲を確認する。

ここは住み慣れた我が家の寝室。
何も変わらない寝具。
一人暮らしなのだから誰の気配もあるはずがない。

「ハァ・・・・夢か・・・・」
悪夢とも言えそうな内容に堺は脱力した。
目蓋を閉じて深呼吸をする。

「ッ!!!!」
堺は血の気が引いてガバッと起き上がる。
布団を捲り、下着の中に手を入れる。

「ッ・・・・・・助かったッ」
ガチガチに勃ち上がり、下着に湿り気があるものの、吐精していなかったことに安堵して先程以上に力が抜けた。

「・・・・この歳で夢精なんてシャレになんねぇよ」
嫌な汗を拭いながら汗で濡れたTシャツを脱ぎ、クローゼットから出した着替えに袖を通した。


「ッ・・・」
洗面所の電気を点けると、その眩しさに目が軽く痛んだ。
Tシャツを洗濯カゴへ放り、顔を洗って気持ちを切り替えようとした。
まだ起きるには時間が早い。
もう一度寝直さないと・・・・

「寝れんのかよ・・・・」
ポタポタと水滴の落ちる顔が鏡に映る。
冷たい水で顔を洗っても、身体の火照りは冷めていなかった。


『堺さん、気持ちいい?』

夢の声が耳元に甦り、堺はゾクッとした。

「・・・・気持ちいい・・・・」
素直に出てきた言葉に呼吸が速くなる。

「んッ・・・・」
自然にTシャツの中へと濡れたままの手が伸びた。
指先が触れると鈍い疼きを感じる。

『堺さんの乳首可愛い』
(俺は男だっつーの)
夢の言葉にツッコミつつ、Tシャツを捲り上げる。

「どこが可愛いんだよ・・・・」
こんな男の身体。色気も何も感じない。
なのにあの男は愛撫を繰り返し、堺の身体に快楽を植え付ける。
視線で、舌で、口で、指で、『気持ちいい』と言わない状況をなくしていく。

「・・・・」
堺は着たばかりのTシャツを脱ぎ捨てる。
鏡に映る姿がいつも見られている姿。
こんな姿を晒しているのかと落ち込む反面、
こうやって見られているのかという興奮を感じた。

「ん、あッ・・・・」
もう一度肌に触れる。背筋がゾクッとした。
ピンと尖った乳首を摘むと呼吸が震えた。
もう堺の身体は全身が性感帯なのではないかと思えるくらい下半身に直結した感覚だ。

「岩淵・・・・気持ちいい・・・・」
たまらない。
目を閉じれば2人で身体を重ねた記憶が甦り、
目を開ければ自分を陵辱する姿。
浅ましいという背徳感が余計に性欲を刺激した。

「気持ちいい・・・・なぁ、岩淵ッ」
片手で愛撫を繰り返し、もう片方の手で性器を扱いた。

こんな姿見られたくない(もっと見て)
いい歳してみっともねぇ(もっとして)
嫌だ、恥ずかしい(もっと欲しい)
いい加減やめろよ!(もっと、お願い)
壊れちゃう・・・・(お前なしなんて考えられない)


気持ちいい


「ん─────────ッ」
身体が大きくビクンと揺れた。
ドクドクと吐き出される白濁の塊。
顔を上げれば
虚ろな瞳。上気した頬。だらしなく開いた口元。弄り過ぎて赤くなった胸。
全身を気怠さが襲っている。
冷静になる前に眠らなければ眠れなくなる。

前戯をする夢を見て夢精寸前で目が覚め、
鏡に映る自分に興奮して自慰をした。
自己嫌悪も甚だしい。
こんなことは今日だけにしようと思いながら堺は布団に潜った。
満たされた心と身体ではすぐに睡魔が訪れる。

しかし、『気持ちいい』と認めただけで得られた深い快感は凄かった。
今度は素直な言葉を口にしてみようか?
少し口元を緩めながら
堺は眠りに落ちていった・・・・






13.09.09
×××××××××
ブチサクからのサクサク。
堺さんのオナニー姿をじっくり拝見したいです。
乳首可愛い・・・・

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