戦国
焦がれる想い(*館×政←幸)









「独眼竜殿、遠路遥々ご足労頂き、有り難き次第でござります。」

「Ah〜……堅苦しい挨拶はいらねぇよ」

「……それでは暫しこちらでお休み下され」

「Ok〜」









今、奥州と甲斐は同盟国になろうとしていた。



そのため政宗は甲斐の国まで赴いたのだ。






竜とその右目は一室に通され、時が来るのを待っていた。



「政宗様……あの真田にはお気をつけ下さい……」

「あぁん?」

「あいつの目の奥に……」

「フッ………随分とギラついた目を向けてやがったな……」

「気付いて………ハァ………あまり無茶なことはしないで下さいね」

「ククッ………」






忠告のつもりだったが、政宗の笑みを見たら、自分の悩みの種は確実に増えると観念した。









「伊達政宗殿……お館様がお呼びですのでご準備下され」




障子の向こうから、会話の張本人の声がした。



「Ok、行こうか」

「はい………政宗殿、」

「Ah〜?」




障子を開けると、そこにはやはり強い眼差しをさせたままの幸村がいた。




「くれぐれもお館様にご無礼のないようにして下され」

「Ha!随分な物言いだな!そのお館様とやらに呼ばれた客人に対する言葉遣いに気を付けろよ」




政宗が吐き捨てると幸村は何か言葉を押し込み、二人の前を歩き始めた。




(やれやれ………)



小十郎は気付かれぬように小さな溜め息をついた。









「お館様!幸村でございます。伊達殿をお連れしました」

「うむ。入れ」




通されたのは屋敷の奥の方にある然程広くはない一室だった。




「よく来てくれた」

「………まぁな」

「こちらへ座られよ」

「おっ!?お館様!」





信玄は上座にいる自分の隣を指したのだ。



客人とはいえ、この国の主である信玄の前では下座にくるものである。


それに幸村は動揺した。




「これから手を組もうという国の主を相手に上も下もあるまい」

「Ha!話が分かるじゃねぇか!いいねぇ〜虎のおっさん!」

「ふははははっ!竜のこわっぱよ、腹の探り合いはなしにしようぞ」




主君二人は笑い合い腰を落ち着けた。



従者二人はもちろんのこと冷や冷やしていた。







「なぁ、虎のおっさんよ」

「なんだ?」

「分かってると思うけどよ……これから同盟を組もうって席にこの殺気は不釣り合いなんじゃねぇのか?」

「ふふっ………そこか…………幸村よ…………、下がっておれ」

「お館様!」

「下がっておれ………」

「はっ……!」




信玄は低い声で幸村を制した。



「……小十郎、お前も下がっていろ」

「はい…政宗様」





主君が二人部屋に残った。




「ククッ……焦げつくかと思ったぜ」

「あやつは真っ直ぐで……まだ子供だから感情を隠すことを知らん」

「……甲斐の虎の噂を聞いたことはあるが、真田もその相手なのか?」

「ふふっ………だとしたらどうだというのだ?」

「あんな目をするくらいだ……よほどなんだろ?」


「悪戯心でも出てきよったか?」

「ククッ……単なる好奇心だ……」










───────


部屋に響くは衣擦れの音




「あっ………しつこいんだよ………そこばっか」

「減らず口を……体は良さそうではないか」




胡座をかく信玄に跨がるように、政宗は着物をはだけさせ乳首を弄ばれていた。



片方は口に含まれ舌で転がされ、もう片方は指でいじられ……




「ふ……ぅん」




政宗は信玄の肩に手を置いたまま天井を見上げた。





「感度の良い体のようだな……こっちも触って欲しいと泣いておるわ……」

「あ、んっ……」




政宗は不意に先走りの溢れる自身を触られて体を揺らした。





「そんなに構って欲しかったのか?喜んでおるわ……」

「……っるせ……」

「こわっぱよのぉ……」

「ぅ……んッ」










────────


クチュ、クチュ……





「ん、あっ……やっ!」

「ここを掻かれるのは初めてではあるまい?」





政宗は四つん這いになり、信玄に後ろを掻き回されていた。


「も……いい加減……来いよ……」

「ふふっ……」




何度も良い所を攻められて膝が震えていた。



肩越しに睨みをつけても、潤んだ瞳では欲を煽るだけでしかない。





「この儂を焚き付けたのだ……覚悟は出来ておるな?」

「Ah〜…いいぜ……」











───────


「アッ!アァッ!」

「ふっ………竜は良い声で鳴きよるわ」

「ぅ……あぁ───」



信玄は政宗の腰を掴み、緩急をつけて出し入れを繰り返す。


政宗は肩しか畳についていない体勢で揺さぶられ、片腕で顔を隠そうとし、もう片手で畳に爪を立て信玄の行為を受け止めていた。




「儂の雁首が良いらしいのぉ?」




腹に飛び散る白濁を見下ろしながら含み笑いをする……




「ハッ……あっ……溜まってただけだよ!」

「ここを擦ってやって何度吐き出した?」

「アッ!俺は…ぅん!…若いから回復が早ぇんだよ!…年寄りは遅漏で大変だな!」

「ふふっ……減らず口を……」





羞恥で顔を隠していたのに吐き捨てた時には、熱っぽさを含めているのに強い視線を向けてきた。



快楽には溺れまいとする凛とした姿勢………




それが逆に征服心を煽るのだった………










──────


もう指一本さえ動かせまい。


政宗は仰向けで着物をかけられた状態で天井を見ていた。




「あいつも……こんな風に組み敷かれて鳴いているのか……?」

「ふふっ…………だとしたらどうなのだ?」

「Ha!喰えねぇおっさんだな!」

「休んでおれ………」




信玄は部屋を出て行く際にまた含み笑いをした。





「……佐助……」

「───はいはいっと」

「まずは湯浴の用意をしておけ」

「了解…………大将……」

「なんだ?」

「そんな肌艶の良い顔してたら真田の旦那に殺されちゃうかもよ?」

「ふふっ………どうであろうな」












───────


「ぬぅ………ぬぅぅ……」


部屋を追い出された幸村は庭で頭を抱えて転がっていた。



「おい、少しは大人しくできねぇのかよ」


そんな幸村を縁側から小十郎は呆れて見ていた。



「落ち着けるわけがあるまい!お館様と政宗殿が二人きりでおられるというのに!」

「それは……────」




どっちに対しての嫉妬か?





そう問おうとしたが小十郎は口を閉じた。




(ガキの感情を詮索するのは野暮だな……間違いがあっても敵わねぇしな!)




「うぉぉぉ〜!!某は何故除け者なのだぁ!遅いでござるぅ〜!」










××××××××××××××××

さて、幸村はどちらに嫉妬したのでしょう

恋心の芽生え…みたいな?

ちなみにお館様はねちっこい言葉攻めプレイがお好き…ってことで。

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あきゅろす。
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