戦国
あかよりあおし(幸×政)



















誘惑するような流し目

そして見下す強い隻眼





「俺を抱きてぇなら、土下座して地にKissして請うんだな」




強い口調、不敵な笑み

何者にも臆さない自信に満ちた立ち振舞い






「政宗殿…………」




その真っ直ぐな瞳は、羨望ではなく明らかに欲情の炎を灯している。



「分かりました………」



片膝をつき、俯く。




「ッ──────!?」





眼下には紅い姿が、

しかし、世界は一変


抜けるように青い空─────







「ぐはッ」



背中に衝撃と痛みを感じ、足を払われて倒されたのだとようやく理解をした。

しかし、その判断の遅れで四肢の自由を奪われる。




「地に堕ちた竜に口付けをすれば良かったのですよね?」



組み伏せて満足そうに目を細める。



「……………犬っころにしちゃあ、上等だ」



唇を吊り上げ、スッと目を閉じる。


それは合図








「ッ…………」



明るい視界に影が落ち

投げ出した蒼の躯はぴくりと強張る


覆い被さる紅の帯びた熱が空気を伝い

心がどくんと躍った。




「ン……………」



吐息がかかり、柔らかい唇が重なる

角度を変えて唇を吸い、

薄く開いた口から覗く舌を絡める





「ぁ、…………」



唇は口元から離れ、首元へ

はねた髪が当たってくすぐったいと思いながら、自由になった手を背中へ回す。


手に触れた物は、

焦げ茶色の尻尾と紅い鉢巻


青い、青い空に向けるとその赤は
青に溶けることなく主張が強く

茶は、甘い蜜のように黄金色に輝いて見えた




「堕ちたんじゃねぇ…………降りてきたんだ」




耳元に囁かれた言葉は睦言のような甘いものではないが

顔を上げて表情を横目でちらりと見やれば

ほんのり赤くなった頬………


言葉と裏腹の姿を見て沸き上がる感情

蒼い陣羽織越しに躯の線をなぞる

武装された中で無防備と言えるのは首元だけ


もう一度その白い素肌へ唇を近付ける。




「貴殿が欲しい…………」




それが叶えば他の何ものもいらないと思える程に強く求めた。


一時でもいい


貴方が欲しい…………




緑が騒めく風の音に掻き消されそうな声で呟き、

もう一度請うように唇を重ねた










青い空の下

紅は

赤くなった蒼を

白へと変えた──────















×××××××××××××××

基本に戻ってサナダテで。
読んだ時に色が浮かべば幸いです。

最後の一文は、

照れて赤くなってる政宗様を幸村が裸にひんむいて青○ってことです(←身も蓋もない)

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