戦国
笹に願いを(政→佐)
七月七日
雲一つない星が瞬く澄んだ夜空
庭に生えた竹が風に揺られて、カサカサと心地好い音をたてている。
「天では一年振りのSEXが始まったか……?」
政宗は縁側に立ち、柱に寄り掛かりながら空を見上げていた。
(……俺は一年に一度きりじゃねぇが……)
「……会いてぇ……」
コツンと柱に頭を倒した。
天の川で行われる逢瀬を羨むように、政宗は想いを募らせていた。
普段ならば突発的に現れる憎らしいほどの笑顔………
けれど、今宵は現れない。
武田と上杉の戦いが行われていると便りを受けていた。
「会いてぇ………」
叶わないと分かっているから余計に橙色の揺れる髪が恋しく思えた。
「しくじって三途の川向こうになんて行ってねぇよな……」
縁起でもない言葉が出たが、政宗は直ぐにハッとして口端を上げた。
「ククッ………流石に三途の川は渡れねぇが、一年に一度だ……こんなことがあっても可笑しかねぇな!」
傷心に浸るようだった態度を一変させ、悪戯な笑顔を浮かべて着流しの帯を緩めた。
───────
「ま、政宗様!こんな刻にどこへ!?」
身支度を整えて馬を引いてきた政宗を見て、小十郎は慌てた。
「Ha!織姫だって川くらいは渡るぜ?」
「政宗様ッ!?」
小十郎の制止も聞かず馬に跨がった。
「待ってろよ彦星………会いに行くぜ!!」
××××××××××××××××
乙女な政宗様でしたが、最後はいつも通りになりました(汗)
何とか七夕に間に合わせたかったので短文です………
ホントは陣営に乗り込んだ後の話もあったんだけどね(涙)
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