戦国
耳元に囁き(*佐×小十)
「───おい」
小十郎は小鳥囀ずる静かな庭に、殺気の籠った声を向けた。
返ってくるのは葉のざわめき………
「切られてぇのか?………猿飛」
ガサガサッ
「ど〜も……」
緑の庭木から橙色が現れた。
「今日は政宗様には会わせねぇぜ……」
「ははは〜竜の旦那は政務中?」
「……消えな」
佐助は木から降りて縁側に近づいた。
「そんな邪険にしないでよ〜、邪魔しないからさ」
「2度言わせるな………消えろ」
「えぇ〜、ここまで来たんだから竜の旦那の顔くらい見てから帰らせてよ」
小十郎は更に険しい顔で佐助を睨んだ。
「………テメーがそれだけで済むわけねぇだろ……」
「あれっ?それってどういう意味??」
佐助は思わぬ発言に嬉しそうに食い付いた。
「………何時でも構わず………政宗様に………」
「何してるか知ってるの?」
「…………」
ぎりっと歯軋りの音を聞いて佐助は悪戯心を擽られた。
「まぁ〜、あれだけ大きな喘ぎ声だもん、気付くよね〜………それとも……側近だから一部始終聞き耳立ててたりするのかな〜?」
「黙れ!!」
小十郎は威圧したが佐助は少しも怯まず、むしろ火に油を注ぎたくて仕方ないようだ。
「竜の旦那って……艶かしいよねぇ〜」
「うるせぇ!テメーが政宗様を語るんじゃねぇ!」
「………右目の旦那ってば妬いてるの……?」
一瞬言葉に詰まり勢いを削がれた。
「俺様が憎い?」
「当たり前だ!政宗様を組み敷きやがって………」
小十郎の脳裏には目の前にいる忍に体を許す主の声が甦る。
「………俺に抱かれてぇのか?小十郎……」
「ッ!?」
目を伏せた時、確かに聞こえた主の声に赤くなり動揺した。
「テメッ……声色を……!!」
「似てるでしょ………?」
佐助は赤面する姿を見て小十郎の秘めた想いを確信した。
「右目の旦那が抱かせてくれるなら、俺様今日はそれで帰るよ?」
「はぁ!?」
「どっちがいいのさ?俺様手ぶらでは帰らないよ」
「っ!」
佐助は言葉に詰まった一瞬の隙をついて小十郎の背後に立ち、そっと囁いた。
「小十郎……抱いてやろうか?」
「こ………声真似はよせっ」
本人ではないと分かっているのだが同じ声に心を乱された。
「嫌じゃないくせに〜」
「ブッ殺す!」
「はいはい、暴れないの」
佐助は後ろから羽交い締めにした。
「大人しく抱かれちまえよ……」
「ぅ………あ………」
声が…吐息が耳にかかり、抵抗の力が緩んでしまった。
─────
「いっ……」
「ほら……力抜いて……もしかして初めて?」
小十郎は四つん這いになって蕾を指で解かれている。
「竜の旦那が欲しくて自分で弄ったりしないの?」
「っるせ……本当に……これで帰るんだろうな?」
「うんうん……せっかくだから楽しもうよ」
佐助は含み笑いをしていたが、顔を伏せている小十郎は気付くわけもなかった。
───────
「あっ………くっ……」
「もっと腰を突き出せよ……」
「猿飛ッ………殺す……」
佐助は政宗の声色で後ろから貫き、腰を振っている。
「いいんだろ……小十郎〜?」
「あっ……んっ」
「お前の中は最高だぜ……」
「んっ……ハッ……猿飛ッ」
小十郎は佐助の名を呼ぶことで理性を保とうとしていた。
しかし……
違うと言い聞かせても耳に届く声と、思い描いた閨の情景と、刺激される性欲に理性は脆くなる……
「小十郎………愛してるぜ」
「あっ!あ……政宗様──ッ!」
崩れる理性に体は大きく痙攣をして、欲の塊を吐き出した。
「アッ……ふ、ぁ!」
余韻に浸る間も与えないくらいに佐助は腰を打ち付けてくる。
「あ……もう………くっ!」
「んっ………!」
佐助は最奥へと突き上げて達した。
「ハァ……ハァ………」
二人は荒くなった呼吸を整えようと身動きしなかった。
「ハァ………猿飛……ブッ殺す……」
一度吐き出して冷静さを取り戻しつつある小十郎は呪うように呟いた。
「喘いでる右目の旦那は可愛かったよ」
「テメッ!!」
佐助は覆い被さるように小十郎の頬に口付けをした。
「ははは〜ちゃんと処理してあげたいけど、ホントに殺されそうだから帰るね」
小十郎が暴れる前にさっと身を離した。
「中に出してごめんね〜」
「さっさと消えろ!!」
小十郎が身を返そうとすると佐助の姿は影となり消えていった。
「………香りまで真似やがって……気に入らねぇ」
仄かに残る愛しい人の香りに小十郎は赤くなり、先程までの情事を思い出して項垂れた。
「次会ったらブッ殺す……ッ!」
×××××××××××××××
続きます。
サスコジュってどうなんだろう……
コジュの受けって想像が難しい。(←じゃあ書くな?)
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